サービス・ラーニング

みなさん、サービス・ラーニングという言葉の意味をご存知ですか。

「サービス」だから、ボランティアでしょうか?

課外活動でしょうか?就職に備えた社会活動でしょうか? 

そもそも、なぜ、大学で行われているのでしょうか?

サービス・ラーニングは、学生が自発的な意思に基づいて、一定期間無償で社会奉仕(サービス)活動に従事し、「大学での学びを社会に還元し」、「社会での体験を通して知識や理解をより深め」、「それを個々の学習活動(ラーニング)に活かす」という、実践型・循環型の教育プログラムです。サービス・ラーニングへの参加で得た経験や新たな視点は、その後の専修分野の選択、卒論、卒業後の職業選択の基盤となります。

サービス・ラーニング3つのステップ

ICUでは、サービスの経験が、単なる体験にとどまらず確実に生きた学びとなるよう、春学期には「GE: サービス・ラーニング(一般教育)」、「サービス・ラーニングの実習準備」を履修し(事前学習)、夏休みの約30日間に及ぶ実習の後、秋学期には、「振り返り」となる科目を履修(事後学習)するという、通年にわたるカリキュラムでプログラムに取り組んでいます。

サービス・ラーニング関連科目の中心となるのが、主に夏休み中に行う「サービス・ラーニング実習」です。これは、活動先により「コミュニティ・サービス・ラーニング」、「国際サービス・ラーニング」に分かれています。

コミュニティ・サービス・ラーニング

コミュニティ・サービス・ラーニングは、国内のNPOや自治体等の公的機関、福祉施設等でサービス活動を行うプログラムで、1999年にスタートしました。コース開設当初からICUと関係の深い機関へ継続的に学生を派遣しています。その他にも、教育や福祉、環境、国際問題、地域社会など学生が自分の興味と関心に合わせて活動先を新しく開拓し、自ら受入の交渉をして決定する場合もあります。そのプロセスや現場を通して、身近な地域社会について深く学べることが大きな魅力です。

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活動先機関一覧 (2018-2019年度実績)

  • WWFサンゴ礁保護研究センター しらほサンゴ村
  • アジア学院
  • 三鷹市地域ケアネットワーク
  • ノウマチ
  • 三鷹市内の公立小学校
  • Japan Summer Service-Learning (JSSL)プログラム
  • 長崎平和推進協会
  • あわら市役所(福井県)
  • ※実習先の機関活動内容、期間、派遣人数は年によって変動します。



    WWFサンゴ礁保護研究センター しらほサンゴ村(沖縄県石垣市)

    石垣島をはじめとする南西諸島の海や自然を守るために、国際環境NGO世界自然保護基金(WWF)ジャパンが設立した「しらほサンゴ村」でインターンとして活動します。ICU生は例年、石垣島白保地区の民宿に宿泊しながら、WWFサンゴ礁保護研究センターとNPO法人「夏花」の活動に参加し、サンゴ礁や生物多様性を保全する活動のサポートをします。白保日曜市の準備運営(地域おこし)や、しらほ子どもクラブの活動補助なども行います。


    アジア学院(栃木県那須塩原市)

    アジア・アフリカなどから農村開発従事者を研修生として受け入れ、地域コミュニティの農村リーダーを養成する国際人材教育機関。研修生のほか、国内外からのボランティアも積極的に受け入れており、国籍・人種・宗教・習慣・価値観など、さまざまな違いを持った人々が互いを認め合いつつ、共同生活を送っています。研修生やボランティアと寮生活を送りながら、農作業に従事し、食、途上国開発、農業について考えます。


    長崎平和推進協会

    長崎大学との協定によって、2019年夏に新たに加わったプログラム。原爆の悲惨さを伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を目指す長崎平和推進協会の活動をサポートします。「青少年ピースボランティア」や、全国の中高生が集う「青少年ピースフォーラム」の参加を中心に、原爆資料館のボランティアや長崎大学の研修などにも参加します。また、活動の一環として、8月9日の平和祈念式典にも参加することができます。

    参加者の声

    長崎でのサービスラーニングは、今年が初めてだったのでわくわくした気持ちで参加しました。活動中に最も印象に残っていることは、長崎で平和活動をしている方々のコミュニティがどこまでも広がっているというところです。みんなで一丸となって平和活動に取り組んでいる姿に心打たれました。現地の方々が「長崎、広島の人は、平和活動に取り組むのはあたりまえだよねって思われるのが残念だ」とおっしゃっていたことも、とても印象に残っています。私は、日々の活動の中で、原爆や戦争のことは長崎、広島だけの問題ではなく、世界中、全人類の問題であるのに、長崎、広島の人たちだけが、頑張っているのはおかしいと思いました。私の使命は、長崎での活動を長崎だけで終わらせないで、東京で日本で世界中で平和について考えるために行動することだと思いました。 私は長崎に行って、自分の人生観、価値観、今までの勉強、今後の学問、たくさんのことを考えなおすきっかけを得ることができました。現地の方とかかわる中で、自分で自分のコミュニティを広げられる行動力があるということにも気づかせてくれました。それは自信につながりましたし、何より人とのつながりが私を大きく成長させました。


    Japan Summer Service-Learning (JSSL) プログラム

    ICUサービス・ラーニング・センターとミドルベリー大学(米国)が協働企画・運営するプログラム。ICU生、ミドルベリー大学生、アジアからのサービス・ラーニング留学生が、農山村地域や三鷹市内での小中学校、高齢者施設、子育て支援事業などで活動を行います。オリエンテーション、チームビルディング、活動後のリフレクションやプレゼンテーションを通して各国の学生と共に、サービスや日本社会について深く考察する機会を持ちます。

    参加者の声

    活動先の方々との学びももちろん普段得難い貴重なものが多かったのですが、その活動をした海外の学生たちのコメントがとても貴重な学びになりました。例えば天龍村で戦時中の外国人の強制労働の話を伺ったとき、それに関連して海外の学生たちが戦時中の日本の統治についてどのように習っているか教えてくれたり、自国の歴史教育についてどう思っているか話してくれまた。私自身が考える「第二次世界大戦中の日本」や「歴史教育」に新しい視点をもたらしてくれました。

    また、小金井市の小学校の子ども達が、他人を思いやる行動を自然にできていたのが印象に残っています。特に4年生のクラスで、一人の男の子が体調を崩して吐いてしまったとき、周囲の子が誰一人嫌な顔をせず、すぐにその子を助けようとしていました。自分が4年生の時、こんな風に体調の悪い子を思いやれただろうかと考えさせられました。 約一カ月間、三鷹の農業や小金井市の国際教育に関わる幅広い活動を行うことで、より地域コミュニティについて知れたような気がしました。

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国際サービス・ラーニング

ICUの献学精神の一つである国際性を活かした奉仕活動を行うのが、国際サービス・ラーニングです。本学の国際的ネットワークを介して、海外パートナー大学・機関のプログラムに参加し、現地のNGOや公的機関でサービス活動(奉仕/ボランティア活動)を行います。世界をフィールドに、教育、福祉、開発などさまざまな分野でサービス活動を実施しています。ICUサービス・ラーニング・センターでは、アジアを中心とした大学・機関とService Learning Asia Network(SLAN)を作り、学生交換を行っています。参加学生は主に7、8月中の約4週間、受け入れ大学・機関のサービス・ラーニング担当者を介し、現地のNPOや公的機関で活動を行います。

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SLANパートナー機関一覧 (2019年度実績)

国・地域 大学名
インド レディ・ドーク大学(女子大)
ユニオン・クリスチャン大学
タイ アサンプション大学
インドネシア ペトラ・クリスチャン大学
フィリピン シリマン大学
中国 愛徳基金会

※実習先の国、機関、活動内容、期間、派遣人数は年によって変動します。


レディ・ドーク大学(インド)

アジアの学生と共にレディ・ドーク大学のInternational Service-Learning Programに参加。主に障がい児施設、学校、孤児院で子どものサポートを行ないます。カースト制度やジェンダーに関する学生同士の討議、ホームビジット、史跡観光などを行う年もあります。

参加者の声

プログラム参加を通して、インドの文化や社会問題について非常に多くのことを学びました。また、学生ボランティアの自宅で食事をする機会もあったため、南インドの魅力やインドの生活に触れることもできました。 サービス活動では、都心と郊外の小学校でそれぞれ4日間ずつアクティビティを計画して実行しました。私たちは日本の文化や健康の保ち方、環境問題についてゲームなどを交えて紹介しました。1校ではなく2校で活動したことで、家庭の環境が教育の質や個人の性格にどのような違いを生み出すかを考えることができました。

また、現地の学生がインドの文化を紹介してくれた講義では、自国の良い点を自信あふれる表情で語っており、インド人の愛国心の強さに圧倒されていました。一方で、学生ボランティアの家族を含め、さまざまな方とお話した中では「インドは女性にとって住みにくい場所である、あなたが住んでいる国のように自由なところへ行きたい」といった声も多く聞きました。このことから、講義では見えてこない、個人と個人の関わりの中でしか知ることができないものがあることを再認識した気がします。

サービス・ラーニングの経験は、日本での日常では絶対に味わうことのできない、貴重なものでした。活動中、後ろ向きになってしまっても、滞在先での1カ月間は知識や英語力を身に付けるのみでなく、自己、他者や世界についての視野を広げ、私という人間を大きくしてくれたと感じます。

ペトラ・クリスチャン大学(インドネシア)

ぺトラ・クリスチャン大学のCommunity Outreach Programに参加。インドネシア・オランダ・韓国・中国・香港・台湾からの学生チームと共に、8箇所の村に分かれて、約4週間にわたる地域支援活動(施設整備・修繕事業など)を行います。英語での積極的なコミュニケーション能力が必須です。

参加者の声

到着して最初の4日間はICU生のみでのフィールドトリップでしたが、現地の食事や生活スタイルに順応する機会を得られて良かったと思います。また、村の生活だけでは得られなかったであろうインドネシアの特色や問題点を発見することができ、より批判的に村での生活を分析できたのではないかと思います。

インドネシアのプログラム(COP) の最大の特色は、なんと言っても世界中から集まった学生達(中国、韓国、インドネシア、オランダ、台湾、香港、日本)と共にサービス・ラーニングを行うことができる点だと思います。異国の村での生活は、日本では考えられない文化や言動に驚かされる日々でしたが、そのような環境を異なる国々の仲間達と共有し、生活することはとても新鮮で、このプログラムに参加してよかったと感じました。コミニュケーションツールが英語のみの環境は、時には自分の思いを適切に伝えることができているか不安に感じることもありました。ただ、全ての参加者が英語を母国語としない国々から集まっているため、それぞれが考えや思いを伝えようと努力していて、私自身もその姿に刺激を受けました。

SLプログラムは夏休みの約一ヶ月間の短期プログラムですが、実際に現地の人々と関わる中で、サービスの意義や途上国への印象、自分の社会でのあり方などを考え直す貴重な機会となり、本当に濃い時間だったと思います。


シリマン大学(フィリピン)

1週間ごとに孤児院、DV被害者支援団体、シェルター、小学校での教育サポートなど異なる団体を訪れて活動をするため、さまざまな社会問題について学ぶ機会があります。現地学生がバディとして常に付き添ってくれるので心強く、学生間の絆も深まります。

参加者の声

施設でのホームステイでは、辛い経験をした女の子たちとの触れ合いを通して、ドゥマゲテやフィリピンの問題を知るとともに、彼女たちと強いつながりをもつことができました。「短い時間で、彼女たちに何ができるのか」という問いに対して、現地の先生は「施設の少女たちが、いずれ自立して社会に出た時に、『あの時、日本から私たちに会いに来て、一緒に時間を過ごしてくれた人たちがいた』という思い出が、彼女たちを支えるかもしれないよ」と言いました。私たちにとって学びの多い出会いが、同時に、相手にとっても何か意味のある出会いになるかもしれない。サービス・ラーニングは、そのような、未来につながる出会いが生まれる場だと思います。

また、フィリピンのバディーや先生たちは優しい人が多く、フレンドリーに接してくれて、とても温かい関係を築けたことがうれしかったです。最後のホームステイの間に腹痛になったことはとてもつらかったですが、ホストマザーやバディー、現地の先生から支えてもらい、フィリピンの方々のホスピタリティーをより感じることができました。

サービス・ラーニングでは、普段の生活の中では会うことのできない人たちと、たくさんのつながりを持つことができ、自分は広い世界の中のほんの小さな人間なんだと気づけます。日本にいた時には、周りの目を気にしたり、何かが引っかかってできなかったことも、一歩踏み出して、できる気がするものだと気づきます。

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サービス・ラーニングに関するお問い合わせ

国際基督教大学 サービス・ラーニング・センター

2002年10月に設立され、2003年よりアジア地域の高等教育機関とネットワークを形成して、積極的にサービス・ラーニングを通じた学生交流を行っています。2005年には文部科学省の補助金事業(戦略的国際連携支援)に採択され、特に国際的なサービス・ラーニングに力を入れています。プログラムの説明会やオリエンテーションの実施、履修に関するサポートのほか、パートナー機関との交渉や渡航準備のフォローアップ、渡航先視察や安全対策など、学生が安心してサービス活動を行えるよう、日々支援しています。

〒181-8585 東京都三鷹市大沢3-10-2 東ヶ崎潔記念ダイアログハウス2階
Tel: 0422-33-3687 Mail: slc@icu.ac.jp

サービス・ラーニング・センターWebサイト

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