在学生・教員の声

OH, Jun young (オー・ジュンヨン)教養学部4年(インタビュー時)

メジャー:物理

主体的に動くことによって、道は開く

入学後に専攻を決めることができる

高校卒業後は、韓国の大学に進学する予定でした。高校では理系を中心に学んでいたので、大学でも理系分野に進もうと考えていましたが、大学4年間は自分の人生の土台を築く大切な時間であるにもかかわらず、今、専攻を決めてしまってよいのか、入学後に学びたい分野が変わってしまったらどうするのかという疑問や不安がありました。そんな時に、当時日本企業で働いていた母親から、「リベラルアーツ」や「ICU」のことを聞きました。文系・理系を問わず幅広い分野を学ぶことができるリベラルアーツを知った時、まさにこれだと思いましたし、ICUの国際的なキャンパスにも魅力を感じ、自分の視野を広げたいと思い、出願を決めました。

理系以外の分野に触れたからこそ、悔いなく物理をメジャーにできた

ICUには2008年9月に入学しました。最初の秋学期、そして冬学期の半年は、ほとんどが日本語の授業。帰宅後は宿題という生活で、ひらがな・カタカナ・発音を徹底的に学びました。
半年を過ぎると、徐々に日本語も上達し、一般教育科目や専門分野の基礎科目など語学科目以外も日本語で履修できるようになりました。内容を全て理解するのは難しいこともありましたが、宗教、文学、法学などを学びました。授業では、さまざまな国の学生が一緒に学んでいて、自分とは異なる考え方や価値観に出会うことができ、驚きと発見の連続でした。

2年次には、国際関係学、環境研究にも興味をもちました。特に国際関係学では、同じ事象でも、国ごとにまったく見方や解釈が異なる点が、興味深かったです。この他、高校時代から学んでいた物理も履修しながら、3年次からのメジャーについて悩みました。悩んだ末、最終的にメジャーは物理にしました。単純に物理を学ぶのが楽しく、さらに物理の考え方は自然界の原則・原理の基礎になっていると思ったのです。

留学先で自分の知らない価値観に触れ、さらに成長したい

ICU入学後、まず感じたのは、自分と異なる意見や想像もできない価値観に触れることは、自分を成長させるということです。ICUの学生は、一人ひとりさまざまな価値観をもっていて、学生生活はとても刺激的です。この環境で過ごすうちに、より多くの価値観に触れたいという気持ちが高まり、1年次にはアメリカへの留学を決意していました。アメリカを選んだのは、世界をリードしている国の教育を体験したいということと、世界一の人種のるつぼで、自分にとって未知の体験ができ、成長できる場所だと思ったからです。

2013年の秋から1年間、交換留学制度を利用して、カリフォルニア大学バークレー校で学ぶことができました。留学での最大の収穫は、16歳で大学に入学した学生や、すでに起業している学生など、それぞれ自分の目標に向かって進んでいる世界各国からの学生と出会い、刺激を受けたことです。特に刺激を受けたのは、寮のルームメイトで多くの時間を一緒に過ごした、ノルウェーからの学生です。「絶対にこうあるべき」と思っていた自分の考えはマジョリティの視点で、マイノリティの視点が欠けていることなどを気付かされ、普段の会話からも自分の視野が広がるのを感じていました。

授業は、メジャーの物理の他に、世界をリードするアメリカの経済学や情報分野を学びたいと思い、経済学、プログラミング、基礎情報科学などを履修しました。
どの授業も「物事に対する自分固有の意見をもち、その意見を他人に伝える能力」を鍛える仕組みになっていたと思います。例えば、週4回行なわれる授業では、2回は講義形式で、残りの2回はディスカッションの時間でした。講義をもとに自分の考えをまとめ、他人に伝える。そして、他人の意見にも耳を傾けることで、自分に足りない視点に気付く。ICUでも同じですが、こうしたことを繰り返し行いながら、多様な考え方に触れる中で客観的に自分の考えを見つめ直し、視野を広げる事ができたと思います。

また学内の環境も素晴らしく、あらゆる分野のシンポジウムやセミナーが頻繁に開催されていて、「この環境がリベラルアーツ。この機会を逃すのはもったいない」と思いながら、人権、環境問題、核問題などの興味あるイベントに積極的に参加していました。

大学生活はチャレンジの時

卒業後は、コンサルティング企業に就職します。大学生活を通じて感じたことは、経験したことのない事柄にチャレンジしてこそ、自分を成長させることができるということです。コンサルティング業界は、非常に厳しい世界ですが、そんな環境だからこそ学ぶことが多くあると思っています。

大学生活の4年間は、さまざまなことにチャレンジし、人生の糧を得る時だと思います。ICUには、メジャー制度や留学をはじめとする選択肢が多数あり、主体的に動くことによって、いくらでも道は拓けます。

ぜひ皆さんも、ICUでさまざまな事にチャレンジして、自分の道を見つけてください。

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