答えのない世界の課題に対峙する
ICUの国際性と「世界通用性」

現代社会におけるグローバルイシューに、明確な答えはありません。
複雑に課題が絡み合う世界、そして先行きが不透明な未来を
生き抜く力と人間性が、今求められています。
ICUは、献学の使命である国際性と平和の希求を根幹に、
急速に進むグローバル化の波に対応し、不断の改革を推進。
そしてCOVID-19を経験し、より世界・社会に開かれた
「世界通用性」あるリベラルアーツ教育の深化を試みています。
多角的な視点とクリティカル・シンキングで課題を捉え、
寛容に異なる存在を受け入れ、対話を諦めない姿勢。
そのような世界と通ずる地球市民が集い、学び合う
まるで「小さな地球」のようなコミュニティがICUにはあります。

高いコミュニケーション能力、自ら課題を発見する能力、正解がない問題に取り組む力、分離を超えた知識

ICUの国際性を示す12の項目

1外国人教員等

ICUの教育は世界に通用する教育です

ICUの教員はすべて国際公募によって行われています。国籍に関係なく世界各国から教員が集い、世界に通用する教育が実現します。ICUの外国人教員等の比率は88.7%(主に外国籍教員と、海外大学で学位を取得した日本人教員を指します)。世界と同等の質の高い教育を実現しています。

※文部科学省スーパーグローバル大学創成支援構想調書による

全体の88.7%(2023.5.1実績)

2外国人留学生

日本人同士でも異なる価値観は、海外からの留学生との間ではさらに異なります。また、国籍は同じでも教育を受けてきた国・地域はさまざまで、その数は世界約50におよびます。多様な教育背景をもつ学生が共に学ぶ、真の多様性に満ちたICUのキャンパスは、あらたな心の眼を開き、国際社会において信頼される人=「地球市民」の素養を養います。

世界約50カ国(2023年度)

3外国語による授業科目数

日英バイリンガリズムの教育理念にもとづき、教職科目など日本語での開講が適切な科目は日本語で、一方英語での開講が可能な科目は英語で提供し、専門の内容を日英両方の言語で学べるICUの教育の質をさらに高めていきます。

ICUのこだわり:「英語のみで卒業できるコースは設けません」日本人が留学を通して異なる世界に触れるように、日本のキャンパスは海外から来た学生が「日本」と出会う場です。だからICUは、英語だけで卒業できるコースを設定せず、日本語と英語によるバイリンガル教育を徹底しています。

40.6%(2023年度)

4在学中の留学経験

学生が信頼される地球市民となるためには、多様な背景をもって生きる人々との対話が必要です。ICUの留学の特⾧は、海外大学で現地学生と共に学び単位を取得することで、目的や期間に応じて選択可能な形態が多数あります。また、これは同時に教育の国際通用性を示しています。

ICUのこだわり:「留学経験者の割合100%は目指しません。」ICUには帰国生や日本で学ぶことを目的とする留学生がいるほか、ここ日本で、没頭できる何かに出会った学生が多数います。このような学生に留学を義務付けることは、学生のモチベーションや主体性をそぐことになると考えます。学生のニーズに応じた留学形態を設けることは大学の使命ですが、留学に参加するか否かは学生が決断するもの。さまざまな選択肢の中から、何をすべきか自問自答を繰り返してください。

2020年度卒業生の58.9(2020年度)

5英語による卒業論文作成

ICUの学生は全員、卒業論文を執筆します。4年間の学びの集大成として、自分で設定したテーマについて約1年間かけて論文にまとめる卒業研究です。それまで得た知識を統合し、批判的思考力(クリティカル・シンキング)を実践して議論を展開し、知的な成果を論文としてアウトプットするのです。英語を第一言語としない学生にとっては、身に付けた専門分野に相応しい、英語によるアカデミック・ライティングの力を試す機会となり、英語で執筆される卒業論文の割合は35%を超えます。

ICUのこだわり:英語で卒業論文を執筆した場合、サマリー(要約)は日本語で、日本語で卒業論文を執筆した場合、サマリーは英語で書きます。卒業する最後の最後まで、バイリンガルでのチャレンジが続きます。

36.6%(2022年度)

6学生の語学を使って学ぶ力の向上

ICUの語学教育は、単に語学を学ぶだけでなく、大学で学ぶための思考力とアカデミックスキルを養うことが目的です。リベラルアーツ英語プログラムには、科学に関するトピックが複数あったり、論文作成においても、科学論文を扱うセクションや社会科学論文を扱うセクションを設けることで、文理の垣根を越えたリベラルアーツへの導入教育としての基盤を強化しています。また、TOEFLやIELTS、プレゼンテーション力向上のために上級総合英語も開講しています。英語力はあっても、論文作成の力が十分でない学生のためのコースも充実しています。一方の日本語教育プログラム(JLP)では、大学の入学時期に合わせて4月と9月に入門レベルのコースを開講しています。また日本語力をさらに高めたい4月帰国生なども「日本語特別教育プログラム」が履修できます。さらに、中上級レベルの学習者のニーズに合わせ、技能別のコースも開発されており、習熟度別にきめ細やかな対応がされています。

7卒業要件に占める英語開講科目の割合

ICUは献学以来日・英バイリンガル教育を推進してきましたが、学生が卒業までに修得する単位数のうち、日本語開講科目と英語開講科目の修得単位数のバランスがとれた履修を奨励しています。このことは、英語開講科目の修得単位数の多さにも現れています。これからの社会に必要な人とは、開かれた価値観と生涯学び続ける主体性をもち、国際的な場や地域、世界の国々や日本、さまざまな職域や職種、個人生活においても、信頼される地球市民として、人々と協働しつつ人類の平和と共存に資する人です。このような人を今後も育成し続けるために、ICUは日々、理念の具現化を推進しています。

全体の43.0%(2023年度)

8シラバスの英語化

ICUでは、日本語開講科目であっても英語のシラバスを公開している科目が多くあります。これは、外国籍学生や帰国生など日本語能力がまだ十分でない学生が、今後の履修計画を立てる上で助けになっています。

全科目の65.8%(2023.5.1実績 学部・大学院合算)

9GPA制度、科目ナンバリング制度

GPA(Grade Point Average)とは学業成績を数値化したもので、教員によるきめ細かな履修に関するアドヴァイスを可能にするほか、奨学金給付や海外留学プログラムへの参加を判断する指標として、世界中で利用されています。また、科目ナンバリングとは、授業レベルにより決められた番号で、世界各地の異なる教育システムでも、番号により科目のレベルを理解するためのツールです。ICUでは開学以来これらの制度をとっており、ICUの学生が留学する際に、ICUの授業内容との留学先大学の開講科目の接続関係を確認することができるため、履修計画を立てることを容易にしているほか、留学先で修得した単位をスムーズな編入を可能にしています。逆にICUからの留学を検討している学生にとっても、来日前に専門分野科目の有無や開講科目の内容、そのレベルなどを調べることができるため、容易に履修計画を立てることを可能にしています。

10学生寮

2017年4月、学生寮樅(もみのき)寮と楓(かえで)寮が開寮し、ICUのキャンパス内には10棟、全学生数の30%にあたる学生がキャンパス内で共に暮らし、学び合う事ができるようになりました。ICUの寮の特徴は、対話を重んじ、運営を学生が主体的に行うことです。各寮では、毎月原則1回寮会が開催されます。寮会では、デューティーと呼ばれる共同生活には欠かせない掃除などの役割分担を決めたり、寮内のイベントや寮運営の課題などが話合われ、学生が主体となる自律協働コミュニティーが形成されています。また、寮のルールは、大学が一方的に決めるのではなく、寮生内での十分な議論をもとに大学側と協議を行い、決定しています。これは、対話を重んじるICUならではの特⾧です。

全学年の30.0%(2023年度)

11女性教職員比率

多様性は時代を変えるアイデアを生むといわれています。さまざまな教員が在籍することで、高い質の教育が実現します。

全教員の38.0%(2023.5.1実績) 全職員の62.0%(2023年度)

12国際化を支える職員体制

すべての部署に英語運用能力や海外留学経験のある職員を配置し、あらゆる業務に日英バイリンガルで対応。外国人教員や、海外からの留学生をサポートします。全職員の65.1%が、TOEIC800点以上のスコアを保持。さらに希望する職員は学外機関が提供する語学研修プログラムや海外研修制度を確立し、毎年職員が参加しています。国籍や文化的背景を越えて学生や教員とコミュニケーションをとることができ、海外の大学との折衝や交渉も可能な職員となるよう育成にも力を入れています。

全職員の65.1%(2023.5.1実績)