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2019年秋季入学式を挙行

公開日:2019年9月5日

9月3日(火)、大学礼拝堂において秋季入学式を挙行し、海外の高校や国内のインターナショナルスクールを卒業した学生はじめ、交換留学協定校からの留学生など、学部・大学院合わせて280人を超える学生が、本学に入学しました。

入学式は、参加者一同での讃美歌斉唱、北中晶子宗務部長代行の祈祷で始まりました。続いて、宗務委員長の新垣修教授が「使途行伝 第20章33節-35節」を朗読しました。

その後、献学以来の伝統に則り、学部・大学院の新入生一人一人の名前が読み上げられ、新入生全員は世界人権宣言の原則に立ち、本学での学生生活を送ることを誓う「学生宣誓」に署名を行いました。

式辞を述べた日比谷潤子学長は、本学が第二次世界大戦終結直後の困窮の中、数多くの方々の善意の寄付によって創設された大学であることに触れつつ、「このような学校に入ったみなさんには、その期待と祈りに応えることが求められています。常に『受けるよりは与える方が、さいわいである』ことを忘れず、自らの使命を果たすことを通じて他者に、そして世界に貢献してください。実り多い学生生活となることをお祈りしています」と、新入生に激励の言葉を送りました。

式後には、記念撮影と歓迎昼食会が行われ、新たな仲間と打ち解け合い、楽しむ新入生の姿が見られました。

日比谷潤子学長 式辞(全文)

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新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。ご家族、ご親戚、ご友人の方々にも心よりお祝いを申し上げます。

みなさんが今日入学した国際基督教大学は、今からちょうど70年前の1949年6月15日に、静岡県御殿場のYMCA東山荘に集まった日本と北米のキリスト教界の指導者たちによって、正式に創立されました。本学はこれを記念して、この日を創立記念日としています。私は最近、大学歴史資料室に収蔵されている御殿場会議に関する多数の文書や写真を閲覧しました。

歳月の流れを感じさせる紙に、英文はタイプライター、和文は手書きで記された「國際基督教大学理事会並ニ評議会記録」によると、会議では、大学設立経過の検討、協議会の目的と計画、評議員会の組織について協議が行われ、会議参加者は、基督教主義諸大学との関係、日本における募金活動、教員銓衡および計画樹立の構想、建築家および建築計画、開校日時、理事会と在米国財団との関係、理事会の組織、組織法の批准等を討論し、理事会および評議員会が公式に組織されました。「御殿場ニ集レルワレワレ國際基督教大学理事会及評議員会ノ一同ハM.E.トロイヤー博士ノ明快且周到ナル國際基督教大学ノ構想ニ関スル論文ニ対シ感謝ノ意ヲ表シ且コレヲ本会合ノ記録ニ止メルコトヲ決議ス。尚コノ論文ヲ大学発展ノ指導原理ヲ示スモノトシテ推薦スルコトヲ決議ス」と記録にあるとおり、大学設立の基本方針、教育計画の原則も決まり、第二次世界大戦終結直後の1945年秋から計画立案に携わってきた人々の願いが、ここに実現されました。

御殿場会議が終わると、みなさんがこれから学び、課外活動に従事し、また寮生にとっては日々の生活の場ともなるこのキャンパスの土地を購入するための資金が、太平洋の両側で展開された未曾有の規模の募金活動によって集められました。アメリカ側では、キリスト教諸教会、その外国宣教部、そして個人からの協力がありました。一方日本側の寄付者は政界・財界・学界の指導者層にとどまらず、他大学の学生数名や小学生を含む多くの一般の方々からも浄財をいただきました。記録によれば、前者はアルバイト収入から100円ずつ、後者は飴玉を我慢して10円、20円を捧げて下さったそうです。その結果、1950年7月20日には当初の目標だった1億5000万円を達成、翌年夏には、募金総額は1億6000万円と発表されました。そして1953年4月には1期生が入学、新入生は先ほどと同じように、一人一人紹介されました。

これらの方々が、戦後の貧しく厳しい生活にもかかわらず寄付をなさったのは、なぜでしょうか。それは、「国際的社会人としての教養をもって、神と人とに奉仕する有為の人材を養成し、恒久平和の確立に資する」という新しい大学の目的に賛同し、期待とともにその創設に協力したいと考えて下さったからに他なりません。これらの方々が、『受けるよりは与える方が、さいわいである』という主イエスの言葉をご存知だったかどうかは分かりません。しかしながら、その行為はこの言葉そのものであり、受けることではなく、与えることこそさいわいだと思っていなければ、決してなされなかったと言えるでしょう。与えることこそ、私たちに本当の喜びをもたらすのです。

みなさんはこれから、「学生宣誓」を行います。これも最初の入学式から、途切れることなく続いてきました。宣誓では、国連総会決議により1948年に採択された世界人権宣言の原則に立ち、それに従ってこれからの大学生活を送ることを誓約します。

今日はご入学にあたり、ICUの歴史の一端をお話ししました。ICUは、第二次世界大戦終結直後の困窮の中、教派を超えた新しい基督教大学の構想に賛同して下さった数多くの方々の善意によって創設された大学です。このような学校に入ったみなさんには、その期待と祈りに応えることが求められています。常に『受けるよりは与える方が、さいわいである』ことを忘れず、自らの使命を果たすことを通じて他者に、そして世界に貢献してください。実り多い学生生活となることをお祈りしています。

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