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ICU生が国際人道法ロールプレイ大会でベストスピーカー賞を受賞

公開日:2019年10月1日

(左から)及川純さん、奥村幸太さん、伊藤悠希さん(左から)及川純さん、奥村幸太さん、伊藤悠希さん

2019年9月8日に東京大学駒場キャンパスにて開催された国際人道法ロールプレイ大会で、本学の奥村幸太さん(教養学部1年)、伊藤悠希さん(教養学部1年)、及川純さん(教養学部4年)のチームがベストスピーカー賞を受賞しました。

国際人道法の知識を使って議論や交渉を疑似体験することを目的とした本大会は、東京大学大学院「人間の安全保障プログラム」​が赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表部とともに開催し、日本では今年が第一回目の開催でした。3人一組で構成されたチームは、武力紛争下におけるさまざまな架空の状況下で人道支援団体をはじめ民間人や武装勢力など与えられた役割をロールプレイすることを通じ、国際人道法(International Humanitarian Law: IHL)の理論と実践について理解を深めました。

ベストスピーカー賞を受賞したICUチームには、マレーシアで開催される国際大会への出場権が与えられました。今後のさらなる活躍が期待されます。


及川 純さんのコメント:

ICUのチームとして「ベストスピーカー賞」を受賞することが出来、嬉しい限りです。本大会でのテーマの一つは、「法を本から引き出す(taking the law out of the books)」ことであり、国際人道法が武力紛争において、さまざまな行為主体にどのように用いられているのかについて考えることが出来る絶好の機会でした。大会の準備にあたり、松田浩道先生(ICU教員、メジャー:法学、日本研究)と、国際大会の経験を踏まえて助言をしてくれた藤岡誠さん(教養学部4年)には大変お世話になり感謝申し上げます。

奥村幸太さんのコメント:

初のIHL大会で、準備万端とはとても言えない状態での参加でしたが、先輩のおかげで素晴らしい賞をいただくことができて光栄です。また機会があれば参加させていただきたく思います。

伊藤悠希さんのコメント:

ロールプレイでは、IHLがいかなる条件のもとで適応されるかなど細かい留意事項を頭に叩き込んで、IHLの番人といわれる赤十字国際委員会の職員になりきって、人道法違反と報告されている部族の長との交渉に臨みました。そこで、部族の長から『どうしてあなたのいう人道が正しいの?』『どうして私がこの法律を守らないといけないの?』と突きつけられた時に、専門用語だけが頭に浮かび、うまく返答ができませんでした。自文化中心主義に陥らないように心がけながらも、いくら説明しても納得してもらえませんでした。これから法律や倫理を学ぶにあたって、部族の長が抱いた根源的な問いに立ち返ることを忘れず、粘り強く思索し続けたいと思います。

指導にあたった松田浩道助教のコメント:

国際人道法ロールプレイ大会は、理論と実践をバランス良く身につけることができる貴重なアクティブラーニングの機会です。ICUチームは既にフランスで開催された国際大会でも優秀な成績を残しており(https://www.icu.ac.jp/globalicu/news2/190515_1.html)、日本初開催となった本大会でも新しい学生が活躍しました。今後も、学生の主体的な学びをサポートすることを通じて「リベラルアーツの中の法学教育」を探究していきたいと思います。