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高大接続プログラム: ICU Global Challenge Forum「国際関係ディベート」を開催

公開日:2020年3月27日

本学は高大接続プログラムの一環として、2019年12月~2020年3月の3カ月にわたり第一回 ICU Global Challenge Forum 国際関係ディベート」を実施しました。

このプログラムは学生一人一人が主体性を持って学ぶ本学のリベラルアーツの体験を通して、無限に広がる学問の世界の一端に触れ、その学びの先につながる現実世界の課題に対峙できる次世代の育成を目指すものとして、高校2年生を対象に実施されました。

第一回である今回は毛利勝彦教授(メジャー:国際関係学、政治学、グローバル研究)が「ディベートで学ぶ国際関係」をテーマに、国際的な課題に関するディベートを指導し、リベラルアーツ教育の核となる論理的・批判的思考力を身に付けること、さらに世界の一部である自分を意識し、本学の掲げる「責任ある地球市民」としての資質の涵養を目的としました。

参加者は各々のPCやスマートフォンからオンラインで参加する形式で行なわれ、首都圏に限らず愛知、京都、広島、長崎など広く国内の高校から参加がありました。

プログラムは、全4回で、講義とグループワークを織り交ぜながらの授業と最終回にはディベートの試合が行われました。

グループワークには、各グループに本学学生がファシリテーターとして参加し、自らの学びの経験を生かして、高校生にとり理解が難しく発言しづらい場面で、高校生に適切なアドヴァイスを行うなど、プログラム進行に重要な役割を果たしていました。

最終回のディベートは、本学のキャンパスに参加者が集まり、対面でディベートの試合を行う予定でしたが、コロナウィルス感染拡大の影響で、急遽オンラインでの開催となりました。

「日本は使い捨てプラスチック製品の使用を禁止すべきか」「日本は核兵器禁止条約に加入すべきか」について肯定派、否定派に分かれオンライン上で試合を行い、各試合終了時にオンライン投票ツールを用いて本学教職員、学生、高校の先生方が判定を行いました。参加者は最後まで積極的な姿勢で参加し、自身の言葉で議論を尽くしていました。

プログラムの最後は毛利先生からの以下のようなメッセージで締めくくられました。

「環境問題、大量殺りく兵器の問題は世界の二大リスクといわれています。そして今起こっている感染症の問題も三大リスクの一つに数えられています。この困難な世界に私たちは生きていますが、対話こそが世界を変えていく道だと思います。『平和への道はない。平和こそが道なのだ』という言葉があります。オフラインでの対話は非常に重要ですが、オンラインでも、オフラインでも学べることはあると思います。これを機会にロジカルに、他の人を説得していく努力を続けてください。」

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オンラインによる投票結果を共有する最終回のディベート


参加した高校生たちの感想

・「使い捨てプラスチックの使用禁止」を否定するのは、正直心の中で葛藤がありました。でも、私たちが準備した否定側の立論も、ある程度筋が通っていると思います。つまり、複眼的に問題を捉えなければ真の問題解決には至らないということ、これを体感できたのが大きな収穫だったと思います。

・全国の高校生と繋がるという貴重な経験ができ、刺激を受けた。

・ディベートを通じて論理的・批判的思考を学べたことが一番大きかったと感じています。また、証拠と論拠を探して、考えることで、一つの論題をさまざまな角度から考えることができました。

・高校生という同じ立場で普段違う環境で暮らしている他の参加者がこのような意見を持っているんだと驚き、私自身足りないところばかりだなと気付かされました。

・相手の主張を予測しながら理論的に主張を立てるのは難しかったけど、苦手だと思っていたことに挑戦できたことが良かったです。今後、プレゼンや論文を書くときには今回学んだ三角ロジックや物事を多面的に見て反対意見を考えてみるということを実践していけたらと思います。


本学では、今後も高校生に新たな関心や刺激を与える学びの場を、高大接続の枠組みの中で提供していく予定です。