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2020年春季 卒業生・修了生へのメッセージ
公開日:2020年3月24日
卒業生、修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
困難な時代においても、力強く未来を切り拓いていかれること信じて、
皆さん一人一人が新たな場で活躍されることを願っています。
これからも応援しています。
日比谷潤子学長式辞
新型コロナウィルスに関する現況を踏まえ、残念ではありますが、皆さんはもちろんのこと、私たち教職員も心待ちにしてきた卒業式を中止することにしました。6月の夏季卒業式に3月卒業生全員を招待し、一緒にお祝いする予定です。詳細は追ってお知らせします。
以下は、大学礼拝堂で3月24日に卒業生・修了生に向けてお話しする予定だった式辞です。
教養学部卒業生、大学院博士前期課程、同後期課程修了生の皆さん、おめでとうございます。みなさんの学生生活を今日まで支えていらしたご家族、ご親戚、ご友人の方々にも心よりお祝いを申し上げます。
ICUは2019年度、初めての試みとして、10月に4月生・9月生合同で教養学部新入生リトリートを行いました。場所は皆さんも訪れた八ヶ岳で、2日目にレクリエーションの企画が複数あるもの同様でしたが、最近は選択肢の一つにミネラルウォーターの工場見学も含まれています。私もこれに参加してみました。
圧倒されるほどの速さで水がペットボトルに入れられ、そのボトルにラベルが貼られて箱詰めされていく工程を見学し、驚異的な製造技術に感心したのは、私だけではなかったと思います。見学では、この工場が積極的に推進している環境に配慮した水の利用、地域社会との協働の取り組みについての説明も受け、見学ツアーの最後にはさまざまなミネラルウォーターの試飲もしました。水天循環への理解が格段に深まったと思います。
私にとって、これらにもまして印象的だったのは、到着してすぐに動画を見ながらうかがった解説です。この工場でボトリングされているのは、地域の地下深くの水源から汲み上げられる硬度30前後の軟水ですが、雨や雪が降り、それが地下でおいしい水へと生まれ変わるまでには、なんと20年以上もの歳月がかかるのだそうです。
この工場のある南アルプス地域は2014年6月に、自然と人間社会の共生を目的とする「生物圏保存地域(通称「ユネスコエコパーク」)」に登録されました。これは、ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画の一環として1976年に始まったもので、豊かな生物多様性を保全しつつ、地域の自然資源を活用し、文化的、経済的、社会的にも持続可能な経済活動を進めるモデル地域です。2019年6月現在、世界124か国で合計701件、その内日本では10件が指定されています。南アルプス地域には標高3000メートル以上の山々や豊かな森に育まれた生物と文化の多様性があり、古来より続く伝統的な習慣、食文化、民俗芸能等が継承されてきました。私たちが毎日飲んでいるペットボトルの水は、このような特別な環境の中で20年以上もかけて作られているのです。
ICUが1953年の献学以来、堅持してきたリベラルアーツ教育の成果も、長い時間をかけて熟成されていくものです。本学の目指す全人的な発達と人格の陶冶は、すぐに実を結ぶわけではありません。皆さんの入学式では、キャンパスの土地が多くの方々の無償の善意によって得られたことをお話ししました。ここには素晴らしい自然や貴重な遺跡があり、日英両語のバイリンガル環境のなか、多様な背景を持つ学生がともに学んでいます。旧中島飛行機三鷹研究所として使用されていた本館、リーガー社製パイプオルガンが設置された礼拝堂、国の登録有形文化財の泰山荘、日本初の学生会館、初代学長湯浅八郎博士を記念する博物館、そして2018年に完成したアリーナとプール、学生寮、教員住宅等々の豊かな環境、ここで受けた教育、さまざまな機会に出会った人々は、皆さんに降り注がれた雨や雪のようなものです。教養学部で過ごした数年間に身につけた批判的思考力、問題解決力、文章記述力、文理を問わない多様な知識、あるいは大学院で得た深い学識とそれぞれの分野における高度な研究能力の成果は、すぐには実感できないかもしれませんが、必ず人生の宝になります。今日このキャンパスを巣立ち各々の道に進むみなさんは、20年以上の歳月を経て、いつの日か「ICU産のおいしい水」となるのです。神と人とに奉仕する有為の人材として、それぞれに与えられた使命を果たしていくことを信じています。皆さんの行く手に神の豊かな祝福がありますように。
学長 日比谷潤子
教職員・学内関係者から卒業生・修了生へのメッセージ
卒業おめでとう! 卒業式がなくなってしまったので、代わりにわたしからみなさんへ餞(はなむけ)の言葉を贈ります。(学務副学長 森本あんり) pic.twitter.com/iP7KORqy1e
— ICU 国際基督教大学 (@ICU_JP) March 24, 2020
なお、大学では6月30日(火)の夏季卒業式にみなさんをご招待する予定でいます。ガウンの貸し出しも計画中。もうすぐ公式アナウンスが出るので、ちょっと待っててね!
— ICU 国際基督教大学 (@ICU_JP) March 24, 2020
卒業おめでとう! 卒業式がなくなってしまったので、代わりにわたしからみなさんへ餞(はなむけ)の言葉を贈ります。(学務副学長 森本あんり) pic.twitter.com/iP7KORqy1e
— ICU 国際基督教大学 (@ICU_JP) March 24, 2020
なお、大学では6月30日(火)の夏季卒業式にみなさんをご招待する予定でいます。ガウンの貸し出しも計画中。もうすぐ公式アナウンスが出るので、ちょっと待っててね!
— ICU 国際基督教大学 (@ICU_JP) March 24, 2020
石生 義人 先生
岩切 正一郎 先生
上遠 岳彦 先生
キム, アレン 先生
小瀬 博之 先生
マーハ, ジョン C. 先生
毛利 勝彦 先生
布柴 達男 先生
岡村 秀樹 先生
岡野 健 先生
佐野 好則 先生
清水 勇二 先生
上遠 岳彦 先生、久保 謙哉 先生
国際交流室の皆さん
宗務部の皆さん
ICU同窓会事務局の皆さん
学内三省堂書店の皆さん
大学食堂 塩田さん
グローバルハウス管理人
冨田夫妻
樅・楓寮管理人
向山夫妻
欅寮管理人
新田夫妻
銀杏寮管理人
麦夫妻
樫寮管理人
鈴木夫妻