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新年礼拝メッセージ

公開日:2013年1月7日

日比谷 潤子

新年礼拝メッセージ

あけましておめでとうございます。みなさま、よいお年をお迎えになったことと存じます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨日、1月6日は公現日、つまり、救い主が神から遣わされて人類のうちに顕現し、神の栄光がイエス・キリストをとおして、すべての人に現れたことをたたえる日でした。「東方の博士たちの来訪」は、「キリストの受洗」、「カナの婚礼」とともに、公現の内容として古くから祝われてきました。

当時の人々は、星によって未来を占い、空に突然現れる明るい光は、何か特別なことを告示するのだと考えていたそうです。博士たちは輝く星を見て、ユダヤ人の王がこの世に生まれたことを知り、遠い東方から出発します。一方、陰険で猜疑心が強かったと言われるヘロデは、このことを聞いて不安を感じ、王として生まれた幼子を殺そうとしました。

星に導かれベツレヘムに着いた博士たちが、宝の箱をあけてささげたのは、預言のとおり、黄金・乳香・没薬でした。黄金は王への贈り物、乳香は祭司への贈り物、没薬は死者への贈り物とされます。これらの捧げ物は、母マリアのそばにいる幼子が、やがて、世界の人々の王、人々が神のもとに行く道を開く祭司、そして人々のために死ぬ救い主となることを予告しています。新約聖書では「博士たち」と複数形になっているだけで、具体的な人数は書かれていませんが、贈り物が三種類だったからか三人と考えられ、カスパル、メルキオール、バルタザールという名前が付けられています。絵画等で見ると、この三人は若い青年と白髪の老人と黒人です。主は、老いも若きも、異邦の民も含め、全世界に現れ、救いの光はすべての人におよびます。

さて、ご承知のとおり、ICUは2011年から2015年までの5年間にわたり、「献学60周年記念事業」を展開していますが、今年はその中心の年です。本学は、第二次世界大戦への深い反省から、人類の平和的発展に寄与する人材を育成することを目指して、献学されました。戦後の荒廃のなか、北米と日本で募金活動が行われ、無数の方々から寄せられた寄附により1950年にこのキャンパスの土地を購入、1952年に語学研修所を開設、翌1953年に第1期生を迎えています。同年4月29日に行われた最初の入学式では、新入生一人ひとりが紹介され、大学の原則を支持し、世界人権宣言に従って生活することを誓約しました。この学生宣誓は、60年間変わることなく続けられています。要覧第1号(1953-1955)には新しいビジョンのもとに設立された大学の志が、「本学は国際協力のもとに設立され、国際文化と理解への実験場として独自の国際社会を学内に実現し、世界共同体の可能性を立証せんとするものである。」と記されました。

『国際基督教大学創立史』、『未来をきり拓く大学』といった書物には、大学の構想準備期から最初の半世紀にご貢献のあった方々の熱意と働き、そして祈りが、詳しく書かれています。先ほどは、マタイ福音書第二章のはじめの部分を読んでいただきましたが、準備期・草創期に大学の礎を築き、その後の歴史を支えた私たちの先人もまた、東方の博士たち、カスパル、メルキオール、バルタザールと同じように、一人ひとりの心に働きかける神の光に導かれて歩みを進めたに違いありません。

「献学60周年記念事業」の理念は、「グローバル化が一段と加速する中で、我々を取り巻く環境は、かつてない大きな変化にさらされています」という一文で始まります。私は昨年4月6日に行われた就任式で、「私どもの行く手には、幾多の困難が待ち受けていると思われます」と申しました。「ICUで学び働く者の平安は、苦難の中にこそあります」とも言いました。記念事業のスローガンは、「次の60年を目指して」です。これからの60年は、最初の60年同様、あるいは、それ以上の困難を伴うものかもしれません。しかしながら、本日の賛美歌で、「われらのゆくさき さだかに見えねど みちびくひかりに 身を委ねまつらん」と歌ったとおり、暗い闇の中にいると感じられる時こそ、まことの光を求めて進むことを、みなさまとご一緒に心がけてまいりたいと存じます。

最後に、一言、お祈りします。

すべての民の光である神様。
あなたは公現の日、輝く星の導きによって、救い主となるイエス・キリストを諸国の民に示されました。
信仰の光によって歩む私たちを、あなたのみもとに行く日までどうぞ導いてください。
主イエス・キリストの御名をとおしてお祈りします。

アーメン

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