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2013年夏季卒業式 日比谷潤子学長式辞

公開日:2013年8月6日

教養学部卒業生、大学院博士前期課程、後期課程修了生のみなさん、おめでとうございます。ご家族、ご友人の方々にも、心よりお祝いを申し上げます。

ICUはキリスト教の精神にもとづき、世界人権宣言のもと、平和を構築する責任ある地球市民として神と人とに奉仕する有為の人材を育成することを目的として、ちょうど60年前の1953年に献学されました。その実現のため、3つの使命、すなわち学問への使命、キリスト教への使命、国際性への使命を掲げています。みなさんは、そのICUから、たった今、学士/修士/博士の学位記を受け取ったのです。

知識の基盤と学問の方法が拡大を続ける今日、卒業と同時に学修が終わると想定する人はいないでしょう。21世紀の高等教育は、刻々と変化する世界の課題に応えうる人材を育成するため、生涯にわたり学び続ける力を涵養しなければなりません。このような力があれば、生産的で実り多いキャリアに就き、責任ある地球市民となることができます。みなさんは、本学の教育によって、以下の資質を身につけたものと願っています。

まず、ここでの学術的訓練を基礎に、創造的かつ独立した学修の道程を、自ら計画することができるはずです。次に、日本語・英語で学び、両語を用いて世界の人々と対話する言語運用能力を習得います。さらに、文章記述力と口頭表現力を駆使して、効果的なコミュニケーションがはかれます。とりわけ重要なのは、自分の見解や知識を、専門や背景が異なる人にもよく分かるように伝える力です。それには、相手の意見をよく聞き、その問いかけに適切に答えなければなりません。みなさんは、さまざまなコースでのディスカッションやグループワークを通して、その力を養ってきました。ICU生は、常に物事を批判的に考えます。はじめにICUは60年前に献学されたと言いましたが、本学では開学当初から、独立の思索能力と科学的批判力の涵養に努めることを、全教育課程にわたって教育目的の一つに掲げてきました。その達成のため、物事を多角的な視点から見つめ、それらを注意深く論理的・批判的に分析する能力の習得を求めています。最後に、文理を問わず知識を統合し、理論を現実の世界に生かすことができます。本学では、学生が教室の中だけでなく外で学ぶことを、積極的に奨励してきました。学修の場は、貴重な動植物や遺跡に恵まれたこのキャンパスから、サービス・ラーニングを行う異国の地にまで及びます。実践の現場に出ることによって、分野の垣根を超えることの重要性に気づいた人は少なくないでしょう。

これらの時代を超えて有益な資質は、みなさんの人生の土台となり、一生を通じて力を与えてくれるでしょう。これらの力を、どうか自分のためではなく、神と人とに奉仕するために用いてください。今日の式の冒頭では、マタイによる福音書第7章の7~8節が読まれました。根気よく諦めずに、求め続け、捜し続け、門をたたき続けることによって、きっと一人ひとりに道が与えられます。みなさんの行く手に神の祝福が豊かにあることをお祈りしています。

2013年6月28日
学長 日比谷潤子

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