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2015年 新年礼拝

公開日:2015年1月7日

2015年1月6日(火)大学礼拝堂において、2015年新年礼拝が執り行われ、日比谷潤子学長が年頭挨拶を行いました。

日比谷学長は、1月6日が神の栄光がイエス・キリストをとおして現れた公現日であることに触れ、「私たちも、闇の中にいると思う時にこそ光を求める姿勢を失わず、これから始まる一年も神様がいらっしゃるところに照り映える輝き、光を見出して一日一日を過ごし、その導きを願いましょう」と、メッセージを送りました。

以下、日比谷学長新年挨拶全文

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聖書朗読 イザヤ書 60章:1節--6節

讃美歌  411番「すべしらす神よ」

 

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

毎年この新年礼拝のある1月6日は公現日、つまり、神の栄光がイエス・キリストをとおして現れたことを祝う日です。当時の人々にとって、救い主が神から遣わされて人類のうちに顕現し、自分たちと共にいて下さることが明らかにされたのは、暗い闇の中に一筋の光が差し込むような出来事だったに違いありません。

フランスでは公現日の前後に、ガレット・デ・ロワ(galette des rois)というお菓子を食べる習慣があります。私が学生時代によくお邪魔していたフランス人のお宅では、年末年始の休み明けに、必ずこのお菓子を出して下さいました。ガレット・デ・ロワはアーモンドクリーム入りのパイで、中に「フェーヴ(fève)」と呼ばれる小さな陶製の人形が入っています。「フェーヴ」のそもそもの意味はそら豆で、その名の示すとおり、伝統的にはパイに本物のそら豆を入れていたそうです。現在、広く使われている陶製の人形の中には高級な限定品もあり、コレクターも少なくありません。このメッセージを準備するにあたり、あれこれ調べていたら、フランスには20,000点に及ぶフェーヴを所蔵する博物館まであることを知りました。

このガレット・デ・ロワになくてはならないのは、フェーヴに加えて、パイの上にのっている紙でできた王冠です。切り分けて食べる時にフェーヴの当たった人は、王様あるいは女王様になって、王冠をかぶります。残念ながら私は一度もそのような幸運に恵まれませんでしたが、金色の冠を頭にのせて、大はしゃぎしていた友人のことを、今も懐かしく思い出します。

お菓子をめぐる話は楽しいのでずっと続けていたいところですが、時間も限られているのでこのぐらいにして、先ほど読んでいただいたイザヤ書第60章の冒頭部分を見てみましょう。第1節は、バビロンの捕囚から帰国した民に向かって、イザヤが闇の中にあらわれる光を告知するところから始まります。世界は依然として闇の中にあっても、第2節後半に書かれているように、「あなたの上には主が朝日のごとくのぼられ、主の栄光があなたの上にあらわれる」のです。このように主の栄光の輝きを伝えられた民は、大いに勇気づけられ、希望を与えられたに違いありません。続く3節においては、諸国民とその王たちがやって来ることが示されます。4節から6節では、それがさらに展開されて、諸国民がシオンの子らを連れ帰ること、「海の富」や「もろもろの国の宝」を携えて来ること、この地域がたくさんのらくだであふれることが語られます。そして、本日の朗読箇所は、「シバの人々はみな黄金、乳香を携えてきて、主の誉を宣べ伝える」と結ばれています。

以上の6節は、エルサレムの視点からの「諸国の民の参集」の預言ですが、一昨年の新年礼拝で朗読されたマタイによる福音書第2章の第1節から第12節には、諸国の側から見たエルサレム巡礼が記されています。よくご存知のように、カスパル、メルキオール、バルタザールの三人の博士たちは、夜空に明るく輝く星によってユダヤ人の王の誕生を知り、東の方にある異国の地を出発しました。ベツレヘムに着くと、貧しい馬小屋の中にいる幼な子イエスを拝み、そのイエスに黄金・乳香・没薬をささげたのです。諸国の民が神のもとに集うという救いの時への預言がここに成就し、それが公現日の起源とされています。最初にイエスを拝見に来たのが、ユダヤ人ではなく、はるばる東方からやって来た異教の人々だったことは、イエスが世界中のすべての人の救い主として、この地上にいらっしゃったことを示しています。そして、2000年も前に博士たちを救い主のもとへといざなった星は、今も私たち一人ひとりを導き、心の中に働きかける、内に輝く光に他なりません。

ここで、ちょっとガレット・デ・ロワに戻ります。ロワとは、王様という意味です。耳から聞くだけでは分かりにくいですが、文字を見ると"galette des rois"とsの付く複数形になっています。つまり、これは一人の王様ではなく王様たちのお菓子なのです。この王様たちとは、先ほどお話しした博士たちです。この三人をテーマにしたフランスの民謡「王たちの行進」、2番の後半の歌詞でも、

L'étoile luit qui les Rois conduit

Par longs chemins devant une pauvre étable,

L'étoile luit et les Rois conduit

Par longs chemins devant l'humble réduit.

星は輝き 王(複数)を導く

貧しい厩へ続く 長い道のり

星は輝き 王(複数)を導く

貧しい厩へ たどり着くまで

のように、博士たちは複数形のロワ(rois)で歌われています。この民謡に基づく旋律がビゼーが作曲した「アルルの女」の前奏曲とファランドールに使われているので、メロディーに馴染みのある方も少なくないかと思います。

今日は初めに、ガレット・デ・ロワをめぐる楽しい習慣についてお話ししました。新年早々に「フェーヴ」が当たると、その年を通して幸運が継続すると言われています。このお菓子は現在では日本でもかなり普及しているので、みなさんもこれから食べる機会があるかもしれません。その場合には、ぜひフェーヴが当たって、2015年がよい年となるよう願っていますが、「フェーヴ」がもたらしてくれる幸運はともかくとして、私たちにとって、まことの幸いとは何でしょうか。イザヤの預言と主の公現は、打ちひしがれざるを得ないような危機の渦中にあっても、現実から目をそむけず、そこに存在する神を語り、神に希望をおいて求め続ける人には、必ず主の栄光があらわれることを示しています。私たちも、闇の中にいると思う時にこそ光を求める姿勢を失わず、これから始まる一年も神様がいらっしゃるところに照り映える輝き、光を見出して一日一日を過ごし、その導きを願いましょう。

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