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2016年夏季卒業式 日比谷潤子学長 式辞

公開日:2016年7月4日

教養学部卒業生、大学院博士前期課程、後期課程修了の皆さん、おめでとうございます。ご家族、ご親戚、ご友人の方々にも、お祝いを申し上げます。

今年の4月15日、国連開発計画(UNDP)駐日代表の近藤哲生氏が本学で「ミレニアム開発目標から持続可能な開発目標へ-私たちが求める未来-」と題してご講演くださり、終了後には、ロータリー平和フェローを対象とする討論会も開催されました。当日参加したフェローの一部は、本日修了の日を迎えています。ご承知のとおり、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、私が数年前の入学式で触れたミレニアム開発目標を土台に、国連70周年だった昨年、9月25日のサミットにおいて採択されました。このアジェンダには、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットが含まれています。

近藤氏は、目標3「すべての人に健康と福祉を」と目標10「人や国の不平等をなくそう」を例に、個々の目標が2030年までのターゲットとして、具体的にどのようなことを設定しているかを説明なさいました。目標3には、「世界の妊産婦死亡率を100,000件中70以下に削減する」、「エイズ、結核、マラリア、顧みられない熱帯病を撲滅し、肝炎、水系伝染病、その他の伝染病と闘う」、「有害化学物質、大気・水質・土壌の公害/汚染による死亡や病気を大幅に減らす」等、目標10には、「人口の下位40%の収入増を、国平均より高い率で達成・維持する」、「年齢、性別、障がいの有無、人種、エスニシティ、出自、宗教、経済的あるいはそれ以外の地位にかかわらず、すべての人の社会的、経済的、政治的包括を促進する」、「計画的で適切に管理された移住政策の導入により、秩序だった安全で正規かつ責任ある移住と人々の移動を容易にする」等が挙がっています。これらのターゲットは、グローバルな指標を使って監視・評価されます。近藤氏はしっかりした指標の枠組みと統計的データの重要性を強調なさいました。

上記以外には、貧困、飢餓を完全になくすこと、ジェンダー平等の実現、教育へのアクセス改善、持続可能な消費、技術革新、気候変動と環境に対する対策、すべての人に対する平和と公正等といった目標が盛り込まれています。すべて待ったなしの課題であり、世界が直面するこれらの問題を無視することはできません。

先ほどルカによる福音書の一節が朗読されましたが、今日このチャペルにいる皆さんは、既に多く与えられています。このことは、教育に関する目標4のターゲット、例えば、2030年までに「すべての少年少女が、適切かつ効果的な学習成果をもたらす無償・公正・良質な初等・中等教育を受ける」、「すべての若者および大人の多くが、男女を問わず、読み書き能力と数量的思考力を達成する」を見れば、明らかです。今日卒業/修了する皆さんは、幸いにもここで高等教育を終えることができたのですから、これから多く求められることになるでしょう。

世界には満足な教育を受けられない人々がいるなか、皆さんは大学/大学院を卒業/修了するという大きな恵みを与えられ、今日本学での学生生活を終えて、ここから巣立っていきます。今後は、昨年のサミットで合意された17の目標が完全に達成される世界を実現するには何をすればいいか、真剣に考えてください。持続可能な開発目標を達成するには、政府だけでなく、民間、市民社会、そして私たち全員の積極的な参加が強く求められています。国連は、The lazy person's guide to saving the world というユーモラスなウェブサイトを作成し、日常生活の中で誰もがすぐに実行できるアクションを列挙しています。本日の式辞とともに、大学ウェブサイトに情報を掲出するので、皆さんもぜひ見てみてください。レベル1では、文字どおりソファに寝そべっているSofa superstar なるキャラクターが、印刷をしないように、電気を消すようにと説いています。レベル2は家の中でできることで、 Household hero が空気乾燥、短めのシャワー、堆肥化、紙・プラスチック・ガラス・アルミの再生を呼びかけています。続くレベル3は家の外でできることで、 Neighborhood nice guy が地域での買い物、徒歩あるいは自転車・公共交通機関の利用を奨励しています。怠け者ではない本学卒業生/修了生には、地球全体の持続可能な発展のために、さらに積極的な取組が期待されます。

URL: http://www.un.org/sustainabledevelopment/takeaction/

「持続可能な開発のためのアジェンダ」の達成期限となっている2030年に、皆さんは多く任されているはずです。学びは卒業したら終わりではありません。むしろ本格的に始まるのは、社会に出てから、更に多く要求されるようになってからです。皆さんはここで自発的学修者として主体的に計画を立てつつ、創造的に学んでいく能力を身につけました。これからの進路はさまざまでしょうが、どのような分野に進んでも、自分自身の力で道を切り拓いていってください。皆さんの行く手に神の豊かな祝福があることをお祈りしています。

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