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2016年秋季入学式 日比谷潤子学長 式辞

公開日:2016年9月5日

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。ご参列のご家族の方々にも、心よりお祝いを申し上げます。今年は、40以上の国や地域から新入生を迎えることになりました。

みなさんが今日入学した国際基督教大学(ICU)は、世界の平和的発展に貢献する人材を育成することを目的に、日本初の4年制リベラルアーツ大学として1953年に献学されました。その前年に文部省(当時)に提出された書類には、「学生は 人種、国籍、宗教の如何を問わず、本学建学の趣旨に共鳴して入学を希望する者の中より、厳選収容」と記されています。 私たちは、大学の使命を達成するため、多様な地理的、文化的、教育的背景を有する学生を受け入れてきました。ICUは献学以来63年間にわたり、世界中から集う学生や教員のさまざまな文化が交錯するところです。9月生のみなさんには、グローバル化する新しい時代の挑戦に先進的な方法で立ち向かい、このキャンパスの学生生活を豊かにすることが期待されています。

本学は、多様な知の世界との出会いを促し、学生が批判的思考力、根拠に基づく適切な判断力、問題解決力を身につけられるような、幅広い教育を提供しています。その目標は、一人ひとりが自分自身でカリキュラムを構築していくことにあります。これからの学生生活において、皆さんは絶えず、「なりたい自分」に成長していくことを求められるでしょう。私どもは、主体的に計画を立てて学ぶことのできる自発的学修者の育成を目指しています。この目的を達成するため、本学は開学以来一貫して、少人数での学修を重視してきました。良きリベラルアーツ教育には、少人数が必須と信じるからです。現在、専任教員1人あたりの学生数は18人、ICUの学びの中心は「対話」です。学生と教員、そして学生同士の絶えざる対話により、みなさんは伝統的な学問分野および新たに切り拓かれた領域に触れ、専門性を高めると同時に、多分野を統合していきます。今日大学院に入学したみなさんには、学術研究の深化が求められます。深い森に囲まれた62万平方メートルのキャンパスは間違いなく、学生と教職員が教室の枠を超えて交わる絶好の場を提供しています。この比類なき自然環境は、みなさんの全人的な成長を促す場です。

1953年に入学した一期生は、本日同様、一人ひとり紹介され、大学の理念を支持し、1948年の国連総会で採択された「世界人権宣言」の原則に立って生活することを誓約しました。爾来、この慣行は営々と受け継がれています。これからみなさんも「学生宣誓」を行い、この宣言の原則を守って大学生活をおくることを約束します。これにより、名実ともに、ICUという共同体の一員、大学の未来を私たち教職員とともに作っていく仲間になるのです。これからの4年間(大学院は23年間)、みなさんは学生宣誓の意味を熟慮し、真摯な勉学をとおして、大学の理念と理想の実現に貢献するものと期待します。
先ほど読まれたローマ人への手紙の第12章第3節から第5節にあるとおり、「一つのからだにたくさんの肢体があるが、それらの肢体がみな同じ働きをしてはい」ません。いうまでもなく、人間の身体に備わっているさまざまな器官の機能は、それぞれ異なっていますが、一つひとつが、身体全体のために働いています。同様に、私たちも一人ひとり違います。それは、神がそれぞれに、他の人とは異なるその人だけの賜物を与えて下さったからです。「わたしたちも数は多いが、キリストにあって一つのからだであり、また各自は互に肢体」です。自分の賜物は何か、これを意識することにより、自らに与えられた使命を自覚できるようになります。これからの4年間(大学院博士前期課程・後期課程のみなさんは2年間/3年間)は、この使命を見出すための期間です。それが何であれ、全体を念頭に置きつつ、その賜物をよりよく活かすことを考えなければなりません。本学は、みなさんがここで過ごす数年間、そしてその時期を超えて、この過程を支援します。

パウロは、「思うべき限度を越えて思いあがることなく、むしろ、神が各自に分け与えられた信仰の量りにしたがって、慎み深く思うべきである。」と促しています。 私たちがへりくだった心をもって、自分に与えられた賜物を用いて毎日を過ごせば、互いが助け合い、よりよい結果が得られるはずです。

この大学での日々が実り多いものであることをお祈りしています。ご入学おめでとう。

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