国連研修をICUキャンパスで開催
2022年4月20日
外交・国際公務員プログラム(DIPS)の枠組みで、国連研修がオンラインと対面のハイブリッド形式の集中講座(大学院科目QPPI528 国連研修:持続可能な開発)として2022年3月11日、14~18日の約1週間、キャンパス内で開催されました。本来国連本部のあるアメリカ・ニューヨークを訪問し、現地での開催を予定していましたが、COVID-19の影響により、キャンパス内での開催となりました。国際機関で働きたいと考えている学部生、大学院生、聴講生の22人が参加しました。
研修では、国連本部のガイド付きバーチャルツアー、国連本部・国連専門機関、アジア開発銀行、現役大使を含む外務省の方々など、多様な視野・実務経験に富んだ専門家19人をゲスト講師に招いた講義、オーストラリアのディーキン大学国際関係専攻学生との合同討論会(ユースフォーラム)が行われました。
講演者の所属国連機関:
国連環境プログラム(UNEP)、国連経済社会局、アジア開発銀行、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連開発計画(UNDP)、国連アフリカ特別代表事務所、国連工業開発組織(UNIDO)、ユニセフ、国連アフリカ経済委員会、国連最貧国・内陸国・小島諸国特別代表オフィス、国連女性機関(UN-Women)、ユネスコ、国連経済社会局(DESA)、世界保健機関(WHO)
講義では、SDGsを包括的テーマとして、貧困、気候変動問題、子どもへの緊急援助、難民、ヘルス、文化、投資・技術移転、ジェンダーなどのテーマの他アフリカや小島嶼国、最貧国への国連機関による取り組み、および日本の国連外交などが語られた他、持続可能な開発へ新型コロナウイルスが与えている深刻な影響について強調されました。
また、人事研修として、国連機関の採用のプロセスや応募書類・コンピテンシーに基づく面接準備のコツ、実際に模擬面接も行われ、国連機関で働くことを目指す学生にとって、実践的な知識や経験を得られる貴重な機会となりました。
参加した学生には、実際の国際機関の業務の体験となるそれぞれのセッションの要点のまとめやリード質問をし、質疑応答のセッション、及び合同討論会でのプレゼンを担当することが課され、研修後は有志学生が編集チームを組み、報告書の作成に取り組みました。
講演者の方々からは、「質問内容の質が大変高く、ICU生は将来国連キャリアを目指す高いポテンシャルがある」との声が寄せられました。また、参加学生からは、「今まで経験したことのないインタラクティブな授業で、課題をこなすのは大変だったものの、国連の様々な役割やSDGsの連携性、また日本政府の立場などについて、深い学びに繋がった」という意見が多く聞かれました。加えて、学生の心に特に残ったのは、それぞれの講師の仕事に対するパッションです。どんなに大変な状況でも「誰1人残さず」支援していかなければならないという強い使命感に胸を打たれたとの声が寄せられました。さらに、ディーキン大学のグループと共通の関心事であるコロナ禍と気候変動、文化や誤報についてそれぞれ発表し、討論をできたことは大変有意義に感じられたようです。