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Leaders Across Bordersに本学学生が参加しました

2023年12月 5日

2023年10月11日〜15日の5日間、Leaders Across Borders Workshop(LAB)が開催され、ICU教養学部2年生の大澤楓さんが参加しました。LABとは、Global Liberal Arts Alliance(GLAA)のメンバーであるOhio Wesleyan Universityが主催する平和と和解について考えるプログラムです。今年が初めての開催となります。

ワークショップは北アイルランドのバリーキャッスル、Corrymeela Centre for Reconciliationで行われました。Corrymeelaとは、1965年に北アイルランド紛争の暴力と分極化で苦しむ個人やコミュニティを支援するために設立されたコミュニティーです。現在は青少年団体、学校団体、地域団体などを受け入れ、平和と和解をテーマにしたワークショップを定期的に行っています。

プログラムの最初の2日間はベルファストで過ごし、町内を巡り歴史を学ぶ機会がありました。その後の日程は、Corrymeelaで自己理解、平和、和解、異文化コミュニケーションなどをトピックにディスカッションやワークショップが行われました。一日の終わりには毎日一日を振り返るリフレクションセッションが行われました。

ICUが加盟しているGLAAの30の加盟校から推薦された20名の学生がこのワークショップに参加しています。アメリカ、エクアドル、パキスタン、インド、ナイジェリアなど世界中の学生が集まりました。ディスカッションの内外に関わらず、社会問題や国際平和についての対話が常に繰り広げられている環境でした。

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コメント

私がこのプログラムに応募した理由は主に二つあります。一つ目は、私が育ったイギリスと現在家族が住むアイルランドの関係について深く学びたかったからです。長期休みにアイルランドに行くと、イギリスとの大きな違いに驚きました。そして、アイルランド人と話せば話すほど、アイルランド人がアイリッシュとして誇りを持っていること、そして自分たちの歴史を話すことが好きなことを知りました。そこであらためて、人々のルーツを説明する2国間の歴史を学び、考えたいという思いに至りました。

二つ目は、自分がどういったリーダーになれるかを探るためです。「リーダー」という言葉を聞くと、前に立って仕切る人、表に出る人などを想像する人が多いと思います。人前に出るのがあまり得意でない私は、どのように社会をより良くしていけばいいのか、何ができるか。これらの質問の答えを探すために、ワークショップに参加しました。

ワークショップの中で最も印象に残っているのは、Jay A. Congerによる "Spirit at Work"という本を基に行ったディスカッションセッションです。この本は、リーダーシップにおけるスピリチュアリティの役割について探求しており、リーダーシップとは人の心の反映であると提示しています。良いリーダーになるにはまずは自分を理解しないといけない。当たり前の事のように聞こえますが、これは今までの私にはなかった新鮮な視点でした。人の考えを聞いてすぐ批判するのではなく、なぜ人がそういった考えに至ったかを考える心の余裕を保つことで、コンフリクトにならない状況を作れると学びました。

さらに、世界中の素敵な仲間に出会えたことが、このプログラムに参加してよかったと思う一番の理由です。多様なバックグラウンドを持つ仲間との対話からは必ず学びがあり、自分の世界でのポジショナリティを再認識させてくれました。そして、世界平和を構築することに対して熱く、オープンな思考を持つ仲間に出会い、今後の世界と自分のアクションに対して希望をもらいました。私の最終的な目標は、全ての子どもに「居場所」がある世界を作ることです。Leaders Across Borders Workshopを通して認識することができた自分の強みを生かし、今後も人々に寄り添うリーダーとして活動していきたいと思っています。

最後になりますが、GLAAに私を推薦してくださったウィリアムズ先生、ボンディ先生、スーパーグローバル大学創成推進室の皆様、Ohio Weslyan Universityの先生方、そして20名の学生代表に感謝いたします。ありがとうございました。