なぜ、ICUでは一般教育科目と呼ばれる、専門科目以外の科目も重視されるのか?
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40なぜ、ICUでは一般教育科目と呼ばれる、専門科目以外の科目も重視されるのか?
一般的に多くの大学では、基礎教育科目や教養科目と呼ばれる、入学時に選択した専攻の学習に入る前に、専攻にとらわれずに広く学術基礎を学び、専門課程で学ぶための学術基礎を養う科目が設けられています。ICUでも一般教育科目と呼ばれる人文科学、社会科学、自然科学からなる科目群がありますが、2年次の終わりまで専攻を定めないICUでは、この科目の意味は大きく異なります。「専攻を前提とした学術基礎の学習」ではなく「さまざまな学問領域の本質に触れ、自分が本当に学びたい分野を発見したり、複数の視点からその分野を位置づける重要な機会」として位置づけられています。
ICUにおける一般教育科目は、知識偏重を避け、人として成長するため、卒業までの学生生活を通して学び続けるもので、人文科学、社会科学、自然科学の各領域から、今私たちが生きる社会を再考する授業です。
湯浅八郎初代学長は「ICUと一般教育」と題した文章で、次のように述べています。
「ICUが一般教育を重視する理由は、戦前の大学の在り方や世間の大学の期待等に対する反省と批判とにもとづくのである。大学は本質的には教育機関であって、人間形成の場であり、責任をとることのできる実力あり道義ある市民を養成する使命が大学にあると言う大学観は戦後の発見である」。さらに、湯浅学長は、大学卒業生のあるべき姿について、こう続けています。「専門的知識と技術とを習得するだけでなく、人格として、一個の人間として、良識と良心の持ち主であること」。どう考え、どう生きるか。それを考える授業が一般教育科目です。