大学院概要

大学院部長メッセージ

世界へのスプリングボードとなる親密な学術空間。
冷静な知性と行動力で平和を実現する人材を育成したい。

大学院部長 海蔵寺 大成 Taisei KAIZOJI

ICU大学院は、リベラルアーツ教育を土台とした「平和研究」に代表されるインターディシプリナリー(学際的)な学びを特長とする小規模な大学院です。1953年の開学以来、修士2400名以上、博士220名の学位授与実績がありますが、規模は小さくとも非常に優秀な人材を数多く輩出してきました。

その原点にあるのは、一人ひとりを尊重する徹底した少人数教育を維持してきたことです。教員一人が指導教員として受け持つ学生数は平均二人弱です。指導教員は指導する学生が、家族的雰囲気の中で学ぶことができるように配慮しています。また、学際的・横断的な教育システムを活用して学生が自発的に研究テーマを模索し、決めることができるように指導しています。

教員、学生とも外国人比率が高いこともICU大学院の特長の一つです。日本人だけでなく、欧米、アジア、アフリカなどの国々から留学生を受け入れています。様々な文化的、社会的背景を持つ学生と教員が絶えず「対話」することで、学生が専門知識だけでなく、「世界を相対化する視点」を持つことができるように促しています。大学院の卒業生たちは、国内、海外に飛び立ち、様々な分野で活躍しています。ICU大学院は世界へのスプリングボードでもあるのです。

また、すべての学生は大学院の入学に際して「世界人権宣言」に署名し、すべての人の尊厳と権利を守ることを宣誓します。「世界人権宣言」は建学以来のICUの理念でもあります。これからの世界は、益々多様な価値観の上に成り立つようになり、多様で複雑な社会を包括し、持続可能にすることができる人材が求められています。世界中の企業、公的機関はもとより、あらゆる組織で「学際的な幅広い視点と専門性をあわせ持った人材」が必要なのです。

私たちは、ICUの理念に基づく専門的教育が、必ずこれからの国際社会の「平和」や「持続可能性」に貢献していくことになると確信しています。

アーツ・サイエンス研究科設置届出書類

研究科概要

2018年度大学院案内はこちらでご覧いただけます。

授与学位

博士前期課程、後期課程では、次の学位を取得することが可能です。

学位一覧 アーツ・サイエンス研究科

研究科課程専攻専修分野学位

アーツ・サイエンス

研究科

博士前期課程 心理・教育学 教育学 修士(教育学)
心理学
言語教育
公共政策・社会研究 政治・国際研究 修士(行政学)または修士(国際関係学)
社会文化分析 修士(社会文化分析)
メディアと言語 修士(メディアと言語)
公共経済学 修士(公共経済学)
平和研究 修士(平和研究)
比較文化 日本文化研究 修士(比較文化)
超学域文化研究
理学 数学・情報科学 修士(理学)
物質科学
生命科学
博士後期課程 アーツ・サイエンス 博士(学術)

教育システム

学年暦について

入学:入学時期は4月と9月の2回あり、どなたでもいずれかの入学期を選ぶことが可能です。詳細については入学案内ページをご覧ください。

卒業:卒業時期は3月と6月の2回あり、海外留学、就職などの進路に合わせて卒業できます。

3学期制:一年を春、秋、冬の3つの学期に分けて、学期ごとに授業を完結させる3学期制を採用しています。

授業について

1時限は70分授業です。授業科目の単位数が、一週間における授業時間数(実験実習等を除く)を表します。

言語について

日本語開講と英語開講の授業があり、学生はその中から状況に応じて授業を選択していきます。日本人学生と留学生が同じ授業を受ける中で、お互いの語学スキルもアップしていきます。
研究に必要な英語能力を習得する英語科目や、留学生に対する日本語プログラムを、それぞれ用意しています。

なお、公共政策・社会研究専攻については、英語での授業のみで、修士の学位を取得することも可能です。

共通科目について

本学研究科は、基礎知識と専門的な論文作成、コンピューティング、領域研究スキルを育成するため以下の学際的共通科目を導入しています。
研究方法や論文作成、発表スキルの向上を図るため、学生は、少なくともこれらの科目からひとつを履修しなければなりません。
一年次の履修が望まれます。

授業科目名:現場実習による専門学習

自己の研究課題に関わることが、実際の社会の現実の中でどのように活かされているかを、実地で経験することは、研究のモチベーションを強め、また研究の新たな展開を発見することにつながります。このコースでは、研究分野の異なる大学院生が、それぞれに専門を活かした分野で、社会貢献あるいはインターンシップを行うとともに、その経験によって得られた知見を全体で報告し合うことにより、研究分野を超えた異分野間のコミュニケーションの能力を高めることも目標とします。実地経験の場所は、NGO/NPO、政府機関、国際機関、博物館、学校。

授業科目名:研究者のための論文作成法(英語)

このコースでは、それぞれの研究分野に必要な研究論文作成の方法を身につけることを目標とし、各学問分野に共通する学術論文の書き方を学びます。たとえば読み手の想定、必要とされる記述事項の明確化、情報の組み立て、論理的記述、データ分析等を訓練します。また、文例を分析し、専門領域に特有な文体や、内容及び書式を理解します。学習した内容をふまえて、実際に論文を作成します。

授業科目名:研究者のための論文作成法(日本語)

日本語での学術論文の書き方は研究領域や分野で異なる点がありますが、このコースでは代表的な学術論文のフォーマットおよびスタイルも含め、学術論文の基本的な構成を説明します。その後特定の主題を選び、実際に論文を書きながら訂正・修正・削除・加筆などの指導を受け、よりよい論文の書き方を学びます。

授業科目名:研究者のためのデータ活用と分析

コンピュータをツールとして活用し、研究論文作成に必要な基本要素の理解および実技を通してスキルを身につけることを目標とします。膨大な情報から必要な情報を検索・抽出し、それらを必要な形態に変換するデータ処理、データの可視化に必要なグラフ作成のスキルなどを学びます。また、データ分析の基礎を学ぶとともに、実技によって実際の方法を学び、最後に文書整型ツールを利用した、学術論文などの作成を行います。

カリキュラム及びシラバス

カリキュラム・シラバスは下記をご覧ください。

  • 科目一覧(「大学院科目」を選択してください。)
  • シラバス(「メジャー Major」から大学院科目を選択してください。)

特徴

日本語と英語のバイリンガル教育を基礎に、世界と日本を結ぶ架け橋としての役割を担う高い専門生を備えた指導的な人材を育成することを目的とした、大学院の特徴を紹介します。

ICUの歩み

第二次世界大戦敗戦直後、「キリスト教精神にもとづく総合大学設立」を願う日本の教育に携わるキリスト者に、アメリカのキリスト教関係者が賛同し、日本とアメリカでICU設立のための募金活動が行われました。そして、1953年4月日本初のリベラルアーツカレッジとして国際基督教大学教養学部は生まれました。また、設立当初からの「大学院教育に重点をおく」という構想に基づき、1957年4月に大学院教育学研究科、1963年行政学研究科、1976年比較文化研究科、1987年には理学研究科を開設しました。そして2010年4月、学際的教育を目指し4研究科を統合し、「アーツ・サイエンス研究科」として生まれ変わりました。

美しく多様性のあるキャンパス

広いキャンパス内に学生寮を完備、海外からの留学生も国内の学生と一緒に生活をともにしています。様々な国籍の学生と教員がキャンパスで出会い、個々の「違い」を受け入れて互いを尊重し、教育・研究できる環境の中で、グローバルな人材を育成しています。

ICU環境宣言

ICUは、その美しいキャンパスにおいて比類なく美しい自然と、貴重な文化遺産を擁しています。ICUはこの環境を天恵の財として、その保全に責を負うことを宣言しています。

日英バイリンガル教育

広いキャンパス内に学生寮を完備、海外からの留学生も国内の学生と一緒に生活をともにしています。様々な国籍の学生と教員がキャンパスで出会い、個々の「違い」を受け入れて互いを尊重し、教育・研究できる環境の中で、グローバルな人材を育成しています。

「対話」を重視した学び

リベラルアーツカレッジとして、ICUが最も重視しているのは、教員と学生の「対話」です。「誰が、何について、どう考えているのか」を互いに共有し、対話の中から新しいアイデアを引き出そうとするスタイルは、教員一人ひとりの「学生の個を尊重し、可能性を引き出そう」とする強い意識の現れです。

多国籍なキャンパス

様々な国籍の学生と教員がキャンパスで出会い、個々の「違い」を受け入れて互いを尊重し、教育・研究できる環境の中で、グローバルな人材を育成しています。

専任教員の出身国

出身国・地域人数
JAPAN 98
USA 20
CANADA 7
UK 7
KOREA 6
GERMANY 2
HUNGARY 2
AUSTRALIA 1
BULGARIA 1
CANADA/UK 1
CZECH 1
FINLAND 1
FRANCE 1
NEW ZEALAND 1
SPAIN 1
GERMANY 2
UK/USA 1
UK/IRELAND 1
152

*2016年5月現在

大学院生の出身国

出身国・地域人数
JAPAN 77
CHINA 17
USA 9
PHILIPPINES 8
KOREA 4
LAOS 4
NEPAL 4
UK 4
AUSTRALIA 2
BANGLADESH 2
COLOMBIA 2
FRANCE 2
INDIA 2
KIRIBATI 2
MALAYSIA 2
MEXICO 2
MYANMAR 2
SOUTH AFRICA 2
ZIMBABWE 2
ARGENTINE, AUS/CAN, BRAZIL, DENMARK, EGYPT, ESP/CHE, FIJI, GAMBIA, HUNGARY, INDONESIA, MALI, NAMIBIA, NICARAGUA, PNG, SIERRA LEONE, SWEDEN, TAIWAN, TANZANIA, UGANDA, VIETNAM 1 each
169

*2017年4月現在

TA制度

Teaching Assistantとして授業の補助をすることにより、教員から直に教育方法等を学びながら、報酬を得られます。奨学金と並び、大学院生の研究活動を経済的にサポートするシステムです。

卒業後の進路

ICUでは少人数制を活かして、就職ガイダンス、就職登録者全員対象の個別相談などを実施し、一人ひとりの学生が納得のいく進路を見つけられるようにきめ細やかな就職支援を行っています。就職活動に必要な情報や資料の閲覧はもちろん、OB・OG検索のための専用PCも設置しています。また、働くことについての意識を高めることを目的としたキャリアセミナーをはじめ、業界研究会、会社説明会、公務員・就職マナーなどの各種 セミナー、就職活動体験発表会など数々の行事を開催しています。

詳しくは、就職相談グループのウェブサイトをご覧ください。

主要進路先一覧(2015年度)

進学国際基督教大学大学院アーツサイエンス研究科 博士後期課程
Harvard University, Harvard Divinity School MA in Theology
早稲田大学基幹理工学研究科 博士後期課程
Waseda Japanese Language and Culture School
一般企業 アクセンチュア
ドレステーブル
シー・コネクト
ダッドウェイ
三菱商事
スリー・イー
NTTコミュニケーションズ
一般企業 独立行政法人 水資源機構
ヒューマンライツ・ナウ
教育 國學院大學
相模女子大学
Duta Wacana Christian Universitybr
神奈川県公立学校
フェリス女学院大学
横浜市公立学校
電気通信大学
公務員 Administrative Service/ Sri Lanka
Bangsamoro Development Agency(BDA)/ Philippines
Ministry of Social Welfare/ Sri Lanka
Ministry of Public Administration/ Sri Lanka
Statistics Authority/ Philippines
Ministry of Education/ Myanmar
Banking Academy of Vietnam
Ministry of Finance/ Vietnam
Ministry of National Planning and Economic Development/ Myanmar
The People's Bank of China
The State Ethnic Affairs Commission of the People's Republic of China
Ministry of Education and Sports/ Laos

学生の声

心理・教育学専攻 教育学専修
株式会社ダッドウェイ
岸 郁美さん

私は学部・大学院の6年間をICUで学び、現在は一般企業に就職しています。学部時代は教育学メジャー・社会学マイナーを専攻し、卒業論文では、テレビアニメに描かれている父親のイメージについて研究しました。その後大学院博士前期課程に教育学専修として進学し、卒論で扱ったテーマをより深く学び、研究を行いました。修士論文では、テレビに描かれているイメージだけでなく、そのイメージが子供の意識とどのような関係があるのか調査を行いました。博士前期課程を修了後の現在は、育児・ペット用品の輸入販売を行っています。

学部・博士前期課程を通して、私は学術的な興味とは別に、父親のイメージや父親の育児参加について興味を持っていました。一般的に広まっている父親のイメージはどこから来るのだろう、それぞれの家族にとって「良い」父親とはどのような父親だろう。このような漠然として抱いていた興味を、学術的な興味を結びつけ、研究につなげられたのは、ICUのリベラルアーツ教育のおかげだと感じています。ICUでは、自身の専攻以外の分野に関しても多く触れる機会があり、他の分野の授業を受講したり、指導教授以外の教授ともお話させて頂くことができました。そのため修士論文の中では、専修分野の教育学以外にも、心理学や社会学といった分野の視点も取り入れることができました。

このような他分野からの学びを行えたことは、研究だけでなく、将来の進路を考える上でも私に大きな影響を与えました。教育という枠組みに捕らわれ ず、社会の中で父親の育児はどのようなイメージが持たれているのか、どのように扱われているのか、などについても深く学び、考えることができました。その結果、父親の育児を企業の立場から支援することはできないのか、という考えを持ち、「お父さんの子育てをもっとおもしろ楽しくしたい」という企業理念を持った会社に就職することができました。ICU大学院に進学し、リベラルアーツ教育を通して広い分野からの学びが行えたことが、現在の仕事に繋がったと感じています。

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