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第24回人権セミナー「日常生活に埋め込まれた無意識な差別~マイクロアグレッション~」を開催

公開日:2021年12月20日

2021年12月10日(金)、第24回人権セミナー「日常生活に埋め込まれた無意識な差別~マイクロアグレッション~」が開催されました。このセミナーは、人権にかかわる啓発活動や相談活動を行っている本学の人権委員会と人権相談員連絡会が、毎年世界人権デー(12月10日)の前後に開催しています。

今年度は立命館大学国際関係学部国際関係学科准教授で、マイクロアグレッション研究会メンバーの金友子氏を講師として迎え、オンライン形式で行われました。セミナーでは、日常にある無意識な差別を概念化した「マイクロアグレッション」をキーワードに被害者や差別する側の環境や心理について具体例が挙げられました。

マイクロアグレッションとは、ありふれた日常の中にある、ちょっとした言葉や行動や状況であり、意図の有無にかかわらず、特定の人や集団を標的とし、人種、ジェンダー、性的指向、宗教を軽視したり侮辱したりするような、敵意ある否定的な表現のことです。はっきりとした分かりやすい古典的差別に対して、現代的差別とも呼ばれます。可視的ではなく、法の及びにくいものです。被害者側は日々感じているのに、差別だとはっきり認識・指摘しづらい部分があり、心理的不安にさいなまれていることがあります。
例えば「どこから来たの?」「どこで生まれたの?」や「ブラジル人だからサッカーうまいんでしょ」などもそうです。些細なことのため、マジョリティには理解し難い面があります。

学生、教職員は、自分が、自分の文化を中心にして物事をみていないか、多くの物語を知ることなどに気をつけ、被害を受けている人は、「それはどういう意味ですか」や「私はこのように受け止めました。」と聞いたり、「さっきの話だけど」と蒸し返すなどして、相手に気づかせる(ミラーリング)することも有効だと学びました。

マイクロアグレッションへの認知を広げ、解決につなげて行くきっかけとなる講演となりました。