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創立記念大学礼拝を挙行
公開日:2019年6月13日

6月12日(水)、本学礼拝堂にて創立記念大学礼拝が執り行われました。
この創立記念大学礼拝は、1949年6月15日、静岡県御殿場のYMCA東山荘に集まった日本と北米のキリスト教界の指導者たちによって開催された大学組織協議会で、「国際基督教大学」が正式に創立され、同日に理事会および評議員会が組織され、大学設立の基本方針、教育計画の原則が決定されたことを記念して毎年執り行われています。
北中晶子牧師の司式のもとに始まった礼拝では、参列者一同による讃美歌第267番「神はわがやぐら」の合唱、そして「ヨハネによる福音書15:1-8」が朗読され、本学日比谷潤子学長が「まことのぶどうの木」と題した、メッセージを述べました。
以下、日比谷学長メッセージ全文
国際基督教大学は、1949年6月に静岡県御殿場のYMCA東山荘に集まった日本と北米のキリスト教界の指導者たちによって、正式に創立されました。それからちょうど70年を数える今年、私は本学歴史資料室に収蔵されている御殿場会議に関する多数の文書や写真を閲覧しました。
歳月の流れを感じさせる紙に、英文はタイプライター、和文は手書きで記された「國際基督教大学理事会並ニ評議会記録」は、「建設委員会委員長山本忠興博士開会ヲ宣シ木村蓬伍師開会祈祷ヲナス」に始まり、出席者として理事17名、監事2名、評議員23名、在米日本基督教大学財団代表2名、職員代表8名、其の他の者4名のお名前が列挙されています。6月14日火曜日の会議は午前九9時半から、大学設立経過の検討、協議会の目的と計画、評議員会の組織、大学の組織法を協議、12項目を決議して午後10時半に散会しました。翌15日水曜日は、午前9時からの桑田秀延氏司式による礼拝の後、国際基督教大学と基督教主義諸大学との関係、医学校、日本における募金の報告、教員銓衡および計画樹立の構想、建築家および建築計画、開校日時、理事会と在米国財団との関係、理事会の組織、組織法の批准、学長・他の役員・理事会の委員の選出等を討論、さらに19項目を決議して午後10時に終わっています。この日、理事会および評議員会が公式に組織されました。本学はこれを記念して、6月15日を創立記念日としています。「御殿場ニ集レルワレワレ國際基督教大学理事会及評議員会ノ一同ハM.E.トロイヤー博士ノ明快且周到ナル國際基督教大学ノ構想ニ関スル論文ニ対シ感謝ノ意ヲ表シ且コレヲ本会合ノ記録ニ止メルコトヲ決議ス。尚コノ論文ヲ大学発展ノ指導原理ヲ示スモノトシテ推薦スルコトヲ決議ス」と記録にあるとおり、大学設立の基本方針、教育計画の原則もここで決定されました。前文の第一節には、「北米合衆國、カナダ及全世界ノ日本ノ友ハ基督教ノ信仰及ビ実践ガ眞ノ民主主義ノ基礎デアルコトヲ信ジ、在米日本基督教大学財團ヲ通ジ、日本ニ於ケル高等教育機関ノ建設ト発展トヲ援助スルコトヲ決意シタ。而シテワレワレハ斯ルヲシヨウトノ長期ニ亘リ懐イテ来タ希望ガ神ノ優渥ナル摂理ニヨリ達成サレルコトヲ感謝ヲ以ッテ認メルト共ニ、ソノ達成ノタメ、ワレワレモソノ応分ヲ熱心ニ果シタ。」とあります。
このように、ICUは「基督教ノ信仰及ビ実践」を基礎に置く大学として建てられました。その構成員として、この場に集められている私たちには、どのように生きることが求められているでしょうか。先ほど朗読されたヨハネによる福音書第15章の第1節から第8節では、父である神が農夫、イエスキリストがぶどうの木、そして私たちがその枝にたとえられ、「つながる」という語が繰り返し使われています。ぶどうの木と枝は常に一体であり、いのちのみなもとである木を離れて、枝のみで実をつけることは決してありません。同様に、ぶどうの木の細い一本一本の枝である私たちもまた、イエス・キリストにとどまり、簡単には切り離せないようにつながることによってはじめて、いのちという素晴らしい贈り物やあふれる恵みを与えられ、養われ、みずみずしい実を結ぶことができるのです。このたとえ話は私たちに、イエス・キリストとつながり続けることの重要性を説いています。但し、つながるとは、ただじっと静かにしていることではないでしょう。イエスキリストを信じていれば何もしなくても自然に実が結ばれるわけではなく、語られるみことばに耳を傾け、祈り、教えを実践しなければ、ぶどうの木にしっかりとつながった枝にはなれません。
本学は、第二次世界大戦終結直後の貧しさの中、教派を超えた新しい基督教大学の構想に賛同して下さった数多くの方々の無償の善意によって創設されました。その期待に応えるため、「まことのぶどうの木」であるイエスキリストに信頼して、日々の実践につとめていきたいと存じます。