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書籍『リベラルアーツという波動』を出版

公開日:2019年9月19日

本学は、リベラルアーツとは何か?を考えるための書籍『リベラルアーツという波動―答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦―』(著者:伊東辰彦 ICU名誉教授、森島泰則ICU教授 発行:株式会社学研プラス)を出版しました。

ますます前途の予測が困難になる時代をむかえ、いまあらためて「リベラルアーツ教育」に注目が集まっています。本書は日本で最初の4年制リベラルアーツ・カレッジである本学の取り組みを紙上で展開。変革期をむかえる教育界への本学からのメッセージを、ぜひご一読ください。

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書籍概要

●第1章(Wave 01)
「リベラルアーツ主義」のすすめ ――大学教育の使命について、あらためて考える

現代社会が抱える複雑に絡み合った問題や、既存の枠組みを超えた課題を解決するものとして注目されるリベラルアーツ教育。この章ではリベルアーツについて、ICUがどのように考え、それに基づいて本どのようにリベラルアーツを伝えようとしているのかを解説します。

●第2章(Wave 02)
大学教授、高校生のチャレンジを受ける ――複眼的アプローチによるリベラルアーツの思考プロセス

リベラルアーツ教育では学問を実践するにあたり、その対象となるものごとに対してどのようにせまっていくのか。リベラルアーツ的アプローチを具体的に例示するための試みとして、大学教授自らが"高校生から出された問いに答える"という形で、その思考のプロセスを展開していきます。

●第3章(Wave 03)
リベラルアーツ・セミナー ――リベラルアーツ的学修のための導入教育の実践

リベラルアーツ教育を実践するためにはどのようなことを行えばよいか。その実例として、リベラルアーツ的な学修への導入教育としてICUで行われている一般教育科目「リベラルアーツ・セミナー」を例として取り上げ、コースの流れを紹介します。

●第4章(Wave 04)
卒業生は今、何を考えているか ――卒業生による対話に見るリベラルアーツ教育のその後

ICUの卒業生たちは、その後、どのような活躍をしているのか。この章では教員として活躍している卒業生たち、さまざまなキャリアを歩む30代の卒業生たちという、二つのグループ座談会の記録から、ICUのリベラルアーツ教育の特徴を浮き彫りにします。

●第5章(Wave 05)
ATLASとは何か? ――入試で日本語のリスニング試験を行うことの意味

ICUの一般入試で試験科目として課される「総合教養(ATLAS)」。"聴く入試"として話題になった、日本語による講義のリスニングを取り入れたユニークなこの入試について、その導入の背景にあるものや狙いを解説します。

●第6章(Wave 06)
世界のリベラルアーツとICU――世界に対して働きかけていく力をつける経験的な学修を目指して

世界で取り組まれているリベラルアーツ教育にはどのような傾向があるのか。ここでは三つの具体的な事例からその本質に迫り、それに対してICUがどのように考え、どのように教育に取り組んでいるのかを解説します。


〈共編著者プロフィール〉

伊東 辰彦(いとう・たつひこ)
国際基督教大学(ICU)名誉教授。国際基督教大学教養学部人文科学科(音楽専攻)卒業、ニューヨーク州立大学(ストーニーブルック校)音楽学部大学院修士課程修了(M.A.)、デューク大学音楽学部大学院博士課程修了(Ph.D.)。1992年ICU着任。教養学部長、宗教音楽センター長などの他、インスブルック大学音楽学研究所客員教授などを歴任。18世紀ドイツの音楽文化に関する研究を中心に、明治期日本の洋楽導入、大学における音楽教育についての論考がある。主要著書に『天才音楽家たちの友情記念帳』(講談社選書メチエ)など。

森島 泰則(もりしま・やすのり)
国際基督教大学(ICU)教授。慶應義塾大学文学部卒業、コロラド大学(ボウルダー校)大学院修士課程、博士課程修了、M.A.(言語学)、Ph.D.(心理学)。専門は認知心理学、認知科学、言語心理学、特に第二言語処理と思考の認知過程。公立中学校英語教諭、在米日系企業研究員兼スタンフォード大学客員研究員を経て、2003年ICU着任。アカデミックプランニング・センター長、アドミッションズ・センター長などを歴任。主要著書に『なぜ外国語を身につけるのは難しいのか』(勁草書房)など。


[商品概要]

『リベラルアーツという波動 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』

共編著:伊東辰彦、森島泰則
定価:1,300円+税
発売日:2019年9月3日(火)
仕様:四六判ソフトカバー/224ページ
ISBN:978-4-05-406728-8
発行所:株式会社 学研プラス