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日本サンゴ礁学会において本学学生が優秀ポスター発表賞を受賞  

公開日:2020年12月11日

本学教養学部4年の寺山玲美(てらやま れいみ、メジャー:生物学)さんが、11月21日から23日かけてオンラインで行われた、一般社団法人日本サンゴ礁学会の第23回大会に参加し、優秀ポスター発表賞を受賞しました。

寺山さんが発表した、サンゴにおける熱と光による複合的なダメージのメカニズムに関する研究は、今後のサンゴ保全策へ繋がりが期待できるとして高く評価されました。

 

ポスタータイトル

「サンゴにおける熱ストレスを緩和する戦略としての光阻害」

研究の概要

近年地球温暖化に伴う海水温上昇が問題となっており、サンゴー褐虫藻共生系は大きなダメージを受けています。

高水温によって破壊されたルビスコへの強光による過剰なエネルギーの流入は、有害な活性酸素種を発生させます。また、強光下では光合成活性が下がる光阻害が起こりますが、熱ストレス下では光阻害が受け取る光エネルギーを減らし、活性酸素種の発生を防ぐのではないかという仮説を検証しました。

実験では総光合成量と光合成収率を求めました。結果として強光下では光阻害が起きるものの総光合成量は増え、熱ストレス下では光阻害は強くなり、壊れたルビスコに流れ込むエネルギー量が減ることがわかりました。
この結果から、光阻害にはサンゴの熱ストレスを緩和する作用がある可能性が示唆されました。

 

受賞のコメント

私は現在、大学間連携協定を利用して筑波大学の下田臨海実験センターで卒業研究をおこなっています。サンゴについて研究しようと思ったのは、ICUでスキューバダイビング部に所属したのがきっかけです。美しい海を楽しんだ一方で、サンゴが大きなダメージを受けていることにショックを受け、研究を通じて保全に貢献できればと考えるようになりました。

ICUで得た刺激や知識を基に、筑波大学で研究を行う日々は充実しています。自分の興味に応じて筑波大学でも研究をすることができるICUは、本当に恵まれた環境だと思います。

末筆ながら、ご指導、ご支援をくださっている先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。