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アテネデモクラシーフォーラムにICU生が学生代表として参加

公開日:2022年10月26日

2022年9月28日から30日まで、ギリシャのアテネで開催されたアテネデモクラシーフォーラム(Democracy and Culture Foundation主催、New York Times後援)に、ICU教養学部3年生で、オランダ・ティルバーグ大学へ交換留学中の渡部葵さんが参加しました。

今年で10周年を迎えるこの会議は、 "A Decade of Democracy: What Now"をテーマとして掲げ、AI、メディア、環境問題など様々な分野から民主主義のあるべき姿を3日間に渡り見つめなおすものです。新型コロナウイルスにより過去2年間はオンライン・ハイブリッド型での開催でしたが、今年は3年ぶりの対面開催が叶いました。

このフォーラムには6年前より、ICUが加盟しているGlobal Liberal Arts Allianceの中から選ばれた約20名が学生代表として全世界から招待されています。渡部さんは今回その一員としてICUより派遣され、他20名の学生と準備から振り返りまでを含めて一週間ギリシャに滞在しました。

フォーラム中の学生の役割は、主にワークショップやパネルディスカッションへの出席です。その中で渡部さんは、デジタル化をテーマとしたセッションのスピーカーに選ばれ、ギリシャ政府デジタル大臣のクリストポロス氏をはじめとする数名のパネリストに若者の意見を届ける機会がありました。また、元国連事務総長の潘基文氏と直接話し、第一線で世界を見つめてきた方の言葉の重みを噛み締めることができました。

学生のコメント

会議の中で、「民主主義とは何か」という根本的な問いが何度も呈されました。定義は人それぞれですし、統一される必要もありません。ただ、民主主義の形成、また持続のための最も大切なことは、常に自分の周りにある事象を疑い、問い続けることだと思います。フォーラムの中でも中心的な話題となったウクライナ情勢についても、一面的な意見を持ち、対岸を非難してばかりでは、最終的に残された道はどちらかの破滅であり、その結果が戦争の長期化で、被害を受けるのは一般市民です。「批判的思考」という言葉はICU内でもよく聞きますし、会議中も頻繁に使用されていました。その実践は大切であると同時に非常に難しいものですが、難しいからといって手放されるべきではないと強く感じました。民主主義を形作るのは批判的思考から生まれる「問い」であり、その「問い」から生まれる新たな波なのではないかと旅を終えて考えております。

フォーラムの前後では、アクロポリスを観光したり、美しい地中海を堪能したりと、ギリシャの魅力を存分に楽しむことができました。一緒に参加した他20名の学生と交わした会話は非常に刺激的で、今までにない新たな知見を得ることができました。友であることを誇れるような素敵な学生たちと一週間をともに過ごせたことをありがたく思います。

もし、来年度の応募を検討されている方には、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。学内選考を通過した後も、各大学から2名ずつ推薦された最大60名の中での最終選考があるため、簡単ではありません。しかし、民主主義の生まれた場所、アテネで学びに溢れた一週間を過ごすことができるなら、その価値は大いにあると思います。

最後になりますが、今回私を推薦してくださったボンディー先生、スーパーグローバル大学創成支援事業推進室の皆さま、GLAAのお二方、そして20名の学生代表のみんなに感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。

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