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和解フォーラム対談セミナー「平和の共同体として歩む」片野淳彦氏
公開日:2023年6月1日

2023年5月25日(木)にシーベリーチャペルにおいて「平和の共同体として歩む〜メノナイト教会と和解の働き」というタイトルで対談セミナーが開催されました。主催はJICUFの助成金プログラムのひとつICU和解フォーラムで、平和研究所共催・宗務部後援のもと、30名近い学生、教員が集まりました。
物理学の山崎歴舟准教授がインタビュアーとなり、国際法の専門家でありメノナイト神学校で学ばれたICU卒業生(35期)の片野淳彦氏からお話を聞きました。
片野氏は、ICUで最上教授の下で平和学を学び中央大学大学院に進み、アメリカのメノナイトの神学校でも平和学修士を取られています。同じくアメリカでメノナイトの大学で学んだ山崎歴舟先生とは、昔からの友人との事です。
メノナイトは16世紀再洗礼派として、ヨーロッパでカトリックとプロテスタント両方から異端扱いを受けて迫害されたキリスト教の教派です。日本ではあまり知られていませんが世界では非暴力主義、良心的兵役拒否などで知られています。大事にするものは、「イエス」、「教会共同体」、そして「和解」の三つが挙げられていました。
片野氏の言葉で印象的であったのは、
「平和は状態よりプロセス、和解する努力こそが平和。」
「波風を立てない状態が平和ではなく、身の回りで傷ついている人達、弱い者たちの声を丁寧に聞く事だ。」など心に刺さる言葉がありました。
世界で暴力で亡くなる人たちの中で、戦争による死者は全体の11%、一方で自殺で亡くなる人たちは56%という世界保健機関のデータなども共有されました。身近な人たちの間でも平和を願う機会となり、ICUに対しても大切な問いかけとなりました。

