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講演会「ミニシアター、およびインディペンデント系の配給会社の仕事」を開催

公開日:2021年2月1日

1月15日(金)、ミニシアターの先駆けである岩波ホール(東京都千代田区)の矢本理子氏を招いて、岩切正一郎学長主催の講演会を開催しました。本講演会は、コロナウィルス感染症拡大予防の観点から、対面とオンライン併用のハイブリッドで行われ、70人程が参加しました。

この学長主催の講演会は、「現代社会とリベラルアーツ」と題したシリーズ講演会で、さまざまな分野のフロント・ランナーをお招きし、人は世界と仕事でどのように繋がっているのかを語っていただくものです。本開催が第2回となります。

矢本氏は映画史の重要な経緯を簡単に紹介したのち、岩波ホールの歩み、映画のポスター完成までのチームワーク、配給会社との係りについて、ウェブサイトや写真を用いて学生にわかりやすく説明しました。

映画史としては、1890年代にエジソンとリュミエール兄弟がそれぞれ映画の装置としてキネトスコープやシネマトグラフを発明したこと、初めて物語性のある映画としてメリエスが『月世界旅行』を発表したこと、日本で現存する最古の映画館として高田世界館などがあることが語られました。また、コロナ禍でHelp! The映画配給会社プロジェクトという運動が起こったことにも触れました。

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また、岩波ホールは1968年に当時としては珍しく女性である高野悦子が総支配人となって開かれたことから、それまでの慣習にとらわれず画期的な動きをしたことが語られました。例として、当時500-1000人規模の映画館が多かったところ、座席数を232席に絞ったこと、上映期間を設け、各回完全入替制のチケット制にしたこと、川喜多かしこ氏の要望でサタジット・レイ監督による『大樹のうた』を上映し、世界の埋もれた映画を発掘、上映するエキプ・ド・シネマ運動を展開したことが挙げられました。そして、映画を選ぶ際の基準としては、人間がどう生きるべきかというテーマが提示されているかを重視していることが強調されました。

岩波ホールでの仕事としては、配給会社が買い付けた映画をブッキングする仕事、字幕をチェックし配給会社や字幕担当者と修正していく仕事や、選定したデザイナーと宣伝ビジュアルをつくる仕事、予告編や公開情報を各映画サイトのライターや新聞記者などに送り、紹介してもらう仕事、極小規模の配給会社の仕事への協力などが紹介されました。近日公開の予告編の上映をもって、講演は終わりました。
岩切学長は、映画は一人で観に行くけれど、その映画が上映されるまでにチームで働いていることを学んだと締めくくりました。

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講演後の質疑応答の時間には、映画館がよりワクワクする場所になるにはどうしたらいいとお考えかという質問に対して、娯楽は系列の映画館で鑑賞し、学びたいときは単館系であるミニシアターで鑑賞とすみわけをしたら良いと思うという意見を率直に述べていました。映画館で働くにはという質問には、映画館でのアルバイトや鑑賞後にスタッフに話しかけるといったことを通じて人脈を築く重要性を語りました。

講演を聞いた学生からは「普段見ている作品の裏側にはどのような人が関わっているのか知ることができ、非常に有意義な時間だった」「いくつか作品も紹介していただき、映画が観たくなる講演だった」「映画配給会社が映画の輸入のみならず、字幕など詳細な部分まで関与していくということが意外だった」などの声が挙がりました。

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