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ICU SDGs推進室キックオフイベント「つくる責任、つかう責任:Virtual Worn Wear Workshop」

公開日:2021年6月4日

5月27日(木)、ICU SDGs推進室(室長:布柴達男教授・環境研究メジャー)のキックオフイベント、「つくる責任、つかう責任:Virtual Worn Wear Workshop」が、アウトドアブランドのパタゴニアとの共催で行われました。ICUでの留学経験を持つ、パタゴニア日本支社長のマーティ・ポンフレー氏。そして、ICUの卒業生、パタゴニア・サーフィン・アンバサダーの金子ケニー氏。そして、パタゴニア縫製スタッフの方々をお招きし、三部構成イベントとなり、80名ほどの学生が参加しました。

一部では、マーティさんが、「アクティビストカンパニーのこれまでの歩みと未来に向けて〜パタゴニアの企業の責任〜」と題して、パタゴニアの企業理念を説明しました。衣料品に留まらず、食品事業や環境再生型有機農業を開始するなど、環境課題解決に積極的に取り組む企業活動と共に、「There is no business to be done on a dead planet (死んだ地球からは、ビジネスは生まれない)」という言葉を紹介し、アクティビスト・カンパニーとして、環境や人権等の幅広い社会課題にビジネスを通じて取り組むということをミッションに掲げる重要性を説きました。

また、Q&Aセッションでは、「将来、仕事を通じて環境問題に携わりたいが、何をすればいいのか分からない」という学生に、マーティ氏自身の将来を選択する際に抱えた葛藤等も交えながら、自身の情熱とは何かに向き合うことでやるべきことは自ずと見えてくると、励ましのメッセージを送りました。

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二部は、金子氏による「Worn Wear:着ることについてのストーリー」という講演が行われました。"Worn Wear"とは、地球の負担を少しでも軽減するために、愛着を持って衣類をより長く使い続ける取り組みを意味する言葉です。金子氏は、オーシャンバドラー選手として活動する際に履き続けている一着のウェアを軸に、自然が訴える状況を見つめ、問題を取り上げ対峙し、解決に向けて考え行動するアンバサダーとしての自身の役割を説明しました。そして、家族や友人、地球、持っているものに対しても愛を持つことが必要であると強調しました。また、ICUの卒業生でもあることから、学生時代や寮生活のエピソードなども披露し、ICUの自然豊かな環境で4年間過ごしたことが、今の自身の原点となっていると語りました。

三部は、パタゴニア縫製スタッフの方々によるリペアレッスンが開催されました。玉留め、玉結びを使わないシャツのボタンつけを、Zoomを通じてリアルタイムで教わりました。裁縫経験をあまり持たない学生もいる中、多くの参加者が縫い付けに成功し、ボタンを縫いつけた衣服を掲げての記念撮影となりました。

参加者の感想

  • 「自分一人だと力の小ささを感じるが、パタゴニアの活動を知って、自分の活動は大きなアクションの中の一部なのだと自分が普段心がけていることを肯定的に捉えることができた」
  • 「ワークショップのおかげで、ずっと気になっていたボタンの外れたシャツがまた着られるようになった。家族や友人にも方法を教えたい」
  • 「どんなものにもその人だけのストーリーがあり、それに対する愛着を持ち続けることが、サステナブルな社会にもつながると気付いた」
  • 「多くの人が自然について改めて考える機会は貴重。『ICU生はICUというアイデンティティを強く持ちすぎる』という批判的な声を聞くこともあるが、やはり、みんなと社会課題に向き合うことができるICUで学べることが嬉しい」

企画運営に携わった学生からのコメント

  • 「日英両言語に対応しつつ、テンポ感のあるイベントの設計に難しさも感じたが、あらゆるニーズに対応した企画の考案やファシリテーターなどをさせていただき、よい経験となった」
  • 「裁縫経験の少ない人や視覚障害を持つ人にも分かりやすいリペアレッスンにするにはどのような工夫ができるのかなど、パタゴニアの社員の方々とミーティングを重ねることで、本番も無事に成功することができて嬉しく思う」

今後も、ICU SDGs推進室は様々な社会課題について皆で考えることのできるようなイベントを開催する予定です。

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