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本学の教員が山下記念研究賞と東京都感謝状を授受

公開日:2021年11月19日

このたび、本学の寺田麻佑上級准教授(メジャー:公共政策、法学、環境研究)が、 2021年3月に、情報処理学会 山下記念研究賞を受賞しました。また同じく3月に、東京都知事より感謝状を授受しました 。

山下記念研究賞は、情報処理学会の前年度各研究会およびシンポジウム発表論文のうち、特に優れた研究発表者に授与されるものです。2019年9月に開催されたの情報処理学会電子化知的財産・社会基盤研究会において発表、講演した論文が受賞となりました。

また、寺田上級准教授は、東京都情報公開審査会および個人情報保護審査会の委員として、情報公開制度および個人情報保護制度の推進に深く関わっており、その長年にわたる尽力が評価され、今回の感謝状授受となりました。

 

山下記念研究賞を受賞した論文:

「EUにおけるプラットフォーム規制の現状と課題」
EUにおいては現在、様々な法整備が進行しており、GDPR の執行と同時に、オンラインプラットフォーマーに対する法整備が複層的に進行しています。本論考においては、EU において情報通信をめぐる様々な法整備が進行している中でも、特にGDPR の執行と同時にまた複層的に進行しているオンラインプラットフォーマーに対する法整備に着目し、EU における GDPR とも協働したオンラインプラットフォーマーに対する法整備が進行し、日本の法制度にも大きな影響を与える可能性が高いの現状と、それら現状を踏まえた課題として、EUの法制度の最新規制内容の吟味を行う必要があることについて指摘をおこない、検討を行っています。

 

寺田准教授のコメント:

このたびは、大変伝統のある、情報処理学会山下記念研究賞をいただき、大変光栄に思っております。この受賞を励みとして、今後の研究に生かしていきたいと思っています。私は公法学、情報通信法制を専門として、これまで、欧州の動向を中心に個人情報保護法制の動向や電波監理政策、ドローンをめぐる航空規制、AIやロボットを代表とする先端技術をめぐる規制と行政組織のあり方など、先端的な情報技術が社会にもたらす影響とその最新動向について、情報処理学会EIP研究会をはじめとした研究会等において、積極的に発表を重ね、先生方との議論を通じて多くのことを学ばせていただいてきました。今後も、引き続き積極的な研究発表を続けていきたいと思っております。これまでの研究にあたっては、常に、さまざまな先生方、先輩方から貴重なご教示を賜って参りました。これらの先生方、先輩方に、改めて、深く感謝の意を表するとともに、今後とも引き続きのご指導をお願い申し上げたいと思います。

また、東京都情報公開・個人情報保護審査会では8年間にわたって審査会委員を務めさせていただきました。東京都知事より感謝状を賜り、大変有難く思っております。

情報公開法制はデジタル社会へと変化しようとしている現在、情報が簡単に書き換えられる可能性が増大しており、さらには、保存される内容が消されるという新たな課題に直面しており、公文書管理の問題とともにしっかりと整備していく必要がある重要な分野となっています。情報公開や個人情報保護の重要な分野において東京都の審査会実務に関わり、多くの具体例から法制度の課題もたくさん実感して参りました。情報法制の分野において、実務と理論の架橋が可能な研究を目指し、今後も精進を続けたいと思います。