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学長主催講演会「音楽が世界の共通語だとは、どういう意味なのか?」を開催

公開日:2022年2月8日

2022年1月20日(木)、作曲家の笠松泰洋氏を講師に迎え、岩切正一郎学長主催の講演会「音楽が世界の共通語だとは、どういう意味なのか?」が開催されました。本講演会は対面とZoomのハイブリッド形式で行われ、約140名が参加しました。

この学長主催の講演会は、「現代社会とリベラルアーツ」と題したシリーズ講演会で、さまざまな分野のフロント・ランナーをお招きし、人は世界と仕事でどのように繋がっているのかを語っていただくものです。本開催が第5回となります。

今回は、蜷川幸雄作品をはじめとして様々な舞台、映画などに数多くの音楽を提供し、室内楽の作曲からライブ演奏活動まで幅広く活躍されている笠松氏に、2018年度文化庁文化交流使として世界各地で作品を披露する中で感じた音楽の普遍性についてお話しいただきました。

講演は笠松氏が西洋音楽を学んだのちに、世界の楽器と民族音楽に興味を持ったきっかけについてのお話から始まりました。単身でトルコに2週間滞在した際にヨーロッパのオーケストラや日本の雅楽の楽器の起源である楽器と出会い、楽器も音楽も国境を超えて繋がっているという気付きを得たことを、複数の楽器の即興演奏を交えながら語りました。

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文化庁文化交流使として南米に渡り、自ら作曲した邦楽風の作品を現地の演奏家たちと演奏するという試みをした際には、作曲時のイメージを具体的に伝えたところ、予想以上に自分が思い描いていた通りの演奏になったことに衝撃を受けたと語りました。この経験を通して「音楽が世界の共通語」というのは、人間が根本的に持っている知覚や感情の集積が音楽であり、性別や国籍、言語が違えど誰もが理解できるという意味であると気づいたと述べました。

講演後の質疑応答の時間には、音楽が共通語として伝わらなかったことはあるかという質問について、「同じメロディに対して正反対の印象を持つ人がいることはありますが、それは皆さん反応しているということなので、言葉としては機能している」と感想を述べました。また、作曲をするときに流行りを意識するかという質問には、「特定のスタイルに合わせて作ることもできますが、スタイルが変わっても自分の曲だなと感じますので、あまり意識しません」と述べました。

講演を聞いた学生からは「音楽が好きなので、世界にいる色々な人と共有できるかもしれない事柄がまた一つ増えたような気がして、ワクワクしてきました。」「音楽という表現の世界で活躍している人が見ている世界にすこし触れることができて面白かったです。」などの声が挙がりました。

この講演の様子は、以下から視聴できます。