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本学学生が2022模擬国連人権理事会UPR(普遍的・定期的レビュー)大会で受賞

公開日:2022年8月26日

最優秀チームワーク賞を受賞した大澤彩さん(写真右から二人目) 左から佐藤郁夫さん、ユウォンフさん、大澤彩さん、林茉子さん最優秀チームワーク賞を受賞した大澤彩さん(写真右から二人目) 左から佐藤郁夫さん、ユウォンフさん、大澤彩さん、林茉子さん

本学の大澤彩さん(おおさわ あや、教養学部3年、メジャー:法学、マイナー:開発学)、佐藤郁夫さん(さとう いくお、教養学部3年、ダブルメジャー:法学・国際関係学)、林茉子(はやし まこ、教養学部4年、メジャー:法学、マイナー:経済学)、ユウォンフさん(YOO, WON HOO、教養学部3年)が、8月8日にオンラインにて開催された2022模擬国連人権理事会UPR(普遍的・定期的レビュー)大会に出場し、大澤彩さんのチームが最優秀チームワーク賞を受賞しました。

「建設的対話」を目指すこの大会は、Human Asia、高麗大学校、ICU、香港市立大学、東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラムの共催、国連人権事務局ソウル事務所の後援により、オンラインにて開催されました。本学の松田浩道准教授は審査員の一人を務めました。本学学生の他、香港市立大学、高麗大学校、西南学院大学、東京大学などから約40名の学生が集まり、韓国、北朝鮮、中国、日本における人権問題について、国連人権理事会におけるUPR(普遍的・定期的レビュー)*のシミュレーションが行われました。

ICUでは松田浩道准教授がニューヨークに拠点をおく日本国際基督教財団(JICUF)の助成を受け「平和と人権のための法学国際アクティブラーニング(International Active Learning in Law for Peace and Human Rights)」というプロジェクトを進めています。

*UPR(普遍的・定期的レビュー):人権理事会の創設に伴い、国連加盟国(193ヶ国)全ての国の人権状況を普遍的に審査する枠組みとして盛り込まれた制度 参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html


学生のコメント:

大澤彩さん
「人権」はICU入学当初から私の興味分野の核となる概念です。この考えを重要な価値観として備えている大学であったことから、学業を通してこの概念をめぐる社会問題に向き合ってきました。私にとって模擬国連人権理事会UPRも決してその例外ではありません。新型コロナウイルスの影響により、今年度の大会はオンラインで行われましたが、東アジアのユースとともに活動することはまさに実践的な学びを体系化するものでした。中国や韓国など日本の隣国で暮らす学生と共に「人権」について批判的に議論やディベートを行い、文章を作成する経験はとても貴重な体験で、その過程を通して、特に東アジア地域におけるより良い関係性構築という観点からも、国籍や国をめぐる障壁がまだ強く感じられない若者世代、そして彼女彼らに見られるニュートラルな中立的な心持ちの重要性を痛感させられました。

最後に、北朝鮮の副代表を努めたチームとして「最優秀チームワーク賞」を受賞できたことを光栄に思います。このような機会を与えてくださった松田先生、そしてこの大会を可能にしてくださった関係者の方々に深く感謝を申し上げます。

佐藤郁夫さん
今回、韓国の代表チームとして、資料を集め、報告書をまとめ、セネガルからの質問に答えました。また、フランスの代表チームとして、中国に対し質問をしました。

韓国の資料を集めるにあたっては、特に韓国在住の方から手助けを受けました。これまで漠然とした隣人だった韓国について、最新の情報を得て、考え方の違いや共通する課題など、多くのことを理解できました。視野が広がり、よりよい日韓関係を考える、良い機会になりました。

また中国に対しては、気候変動問題を担当しました。「内政干渉」と切り捨てられないように、現状の努力を高く評価することで、期待通りの譲歩を得ることができました。他国の体面を傷つけない形で、交渉を進めたことは、平和的な交渉を考えるにあたり、良い実践でした。

この経験を通じ、もっと世界の事情を知り、他国の人々に寄り添う外交手法が必要なのではないか、と感じるようになりました。


林茉子さん
まず、私にとってModel UPR 2022の有意義な部分は、様々な学生が、出身国とは異なる国を代表することができたことでした。私自身韓国の政府代表になったのですが、大会までの期間に、韓国の人権状況を知り、深く学ぶだけでなく、他国の政府代表の前で政治的な背景を踏まえて声明を思考することが、とても難しく、私にとって大きな課題でした。準備期間や当日の時間を通して、私はこのUPRのメンバー構成により、私たち若者のメンバーが、自身と異なる国の人権状況に集中して、その人権のために立ち上がる、という大きな使命を感じることができました。私は一人一人が他国の人権状況を深く理解することが、特にアジアの国家間において、人権保護のための結びつきを強くしてくれると考えています。

この機会を通じて、日頃から常に国内外の人権状況に目を向けることの大切さを痛感しました。「世界各国で、苛まれている人々のために、何ができるのか」という問いを常に持ちながら、勉学に励みたいと思います。

ユウォンフさん
私は法学研究をしたいという希望はありましたが、本人が興味ある分野が法学の中でもどのようなアジェンダなのか不確実でした。今まで自分は国際法と人権に関して深く探求した経験がなくて今回の大会を通してその経験をしたいと思いました。大会を準備過程と他の人々の発表から私は国際法の働き方と人権が我々の社会のなかで守られる仕方を学べられました。それに、私の周りで守られるべき人権とはないかと、どの部分が足りなくて改善されるべきか考えられるようになったきっかけでした。

私と私のチームは韓国の代表として韓国の人権状況を調査し発表しました。特に私はその中でも移民と難民に関する人権に関して研究しました。自分は韓国出身にも関わらず、自分がいる社会の中で移民者と難民たちがどう暮らし、どのような苦労をしているかよく知らなかったです。今回の大会以降、この人たちの問題により関心を向きたいと思うようになりました。
それに私はフランスチームとして北朝鮮に移民・難民問題に関する質問を行いました。ここで私は近いが遠いと思って来た国の実態を知りました。それで、自分の国のみではなくさまざまな国の状況に関心を向けることこそがどれほど状況の改善に重要なのかを認識することができるようになりました。