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特別講演会「Challenges of Englishization of academic institutions in non-English-speaking countries (非英語圏の高等教育プログラムの英語化の課題について)」を開催
公開日:2022年12月13日

2022年11月29日(火)に、スペイン カタルーニャにあるリェイダ大学(https://www.udl.cat/ca/)よりEnric Llurda (エンリック ジョルダ) 教授を招聘し、非英語圏の高等教育プログラムの英語化の課題についての講演会を開催しました。事前に約40名から申し込みがあり、当日も約30名の本学教職員および学生が出席しました。
講演では、はじめにスペインの高等教育の英語化の背景について説明がありました。昨今日本でもGlobal 30、スーバーグローバル大学創生支援事業など、政府主導で高等教育の国際化および専門科目授業の英語開講化が進められてきましたが、スペインでも同様のプロジェクトが進められている現状の解説されました。また、スペインの少数言語(カタルーニャ語、バスク語、ガリシア語)の高等教育への取り込みや、英語化を進めるにあたり、北欧など英語能力に長けた国民が多い国のようにはスムーズな導入ができない事情についての解説がありました。
次に、専門科目を英語で指導する教員、その科目を履修する学生の経験について、実際のデータを用いての紹介がありました。専門科目を指導する教員は必ずしも語学の専門家ではないため、適切な支援を学生たちに提供できないことや、学生たちが英語で専門科目を勉強することは想像以上に困難であることなど、日本と同様、高等教育の英語化にあたってさまざまな問題があることを丁寧に説明されました。
今回の講演を通じて、英語を流暢に話せる人の多い北欧とは異なり、スペインや日本のようなコンテクストにおいて高等教育の英語化を行うには、授業言語を単純に英語に変えるだけでは不十分であることが確認されました。
また本学においても、言語と専門科目のプログラムの双方で協力し、学生がどのような支援を必要としているのか調査すること、またその調査結果をカリキュラムや学習支援に反映させることなど様々な課題を認識することができました。さらには、今後の本学の国際性をさらに高める方向性を改めて認識する講演となりました。