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国連研修をICUキャンパスで開催

公開日:2023年4月5日

外交・国際公務員プログラム(DIPS)の枠組みで、国連研修が学生は対面、講義はハイブリッド形式の集中講座(大学院科目QPPI528 国連研修:持続可能な開発)として2023年3月10日、13~17日の約1週間、キャンパス内で開催されました。本来国連本部のあるアメリカ・ニューヨークを訪問し、現地での開催を予定していましたが、運賃高騰により、キャンパス内での開催となりました。国際機関で働きたい、又は関心があると考えている学部生、留学生を含む大学院生の計30人が参加しました。

研修では、NY国連本部とナイロビ国連のガイド付きバーチャルツアー、国連本部・国連専門機関、外務省、現役在日大使、研究機関の方々など、14箇所から多様な視野・実務経験に富んだ専門家24人をゲスト講師に招いた講義と質疑応答が行われました。

 

講演者の所属国連機関:
国連経済社会局(DESA)、アフリカ経済委員会(ECA)、国連食糧農業機関(FAO)、地球環境ファシリティ(GEF)、地球環境戦略研究機関(IGES)、国連アフリカ特別顧問室(OSAA)、国連アジア太平洋統計研修所(SIAP)、国連開発計画(UNDP)、国連防災機関(UNDRR)、国連環境計画(UNEP)、ユネスコ、国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)、国連森林フォーラム(UNFF)、ユニセフ、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼国開発途上国担当上級代表事務所(UN-OHRLLS)、国連常駐代表事務所(UNRCO)、国連女性機関(UN Women)、世界気象機関(WMO)

 

講義では、SDGsと貧困を包括的テーマとして、2023年9月のSDGsサミット、2024年のSIDS首脳会議の準備プロセス、気候変動問題、海洋、生物多様性、森林、環境と貧困撲滅のための融資、ジェンダー、生涯教育・幼児教育、ICT、防災、農業食品、世界遺産保護などのテーマの他、混沌とした世界危機とそれによる不確実性、SDGsモニタリングのための指標とデータの重要性、アフリカや小島嶼国、最貧国など脆弱国への国連機関による取り組みなどについて深く掘り下げた議論から学生との討論へと発展していきました。

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また、人事研修として、国連機関の採用のプロセスや効果的応募書類の準備・コンピテンシーに基づく面接準備のコツの紹介があり、実際に模擬面接も行われ、国連機関で働くことを目指す学生にとって、実践的な知識や経験を得られる貴重な機会となりました。

参加した学生には、実際の国際機関の業務の体験となるそれぞれのセッションの要点のノート取り・まとめやリード質問をし、質疑応答のセッションをペアで担当することが課され、研修後は有志学生が編集チームを組み、報告書の作成に取り組むことになっています。

講演者の方々からは、「質問内容の質が大変高く、ICU生は将来国連キャリアを目指す高いポテンシャルがある」との声が寄せられました。また、参加学生からは、「今まで経験したことのないインタラクティブな授業で、課題をこなすのは大変だったものの、国連の様々な役割やただの社会的キャンペーンではないSDGsの本当の意味とSDGs同士の連携性、脆弱国の抱える問題や国連の対応などの深い学びに繋がった」という意見が多く聞かれました。加えて、学生の心に特に残ったのは、それぞれの講師の仕事に対する熱意です。どんなに大変な状況でも「誰1人残さず」支援していかなければならないという強い使命感に胸を打たれたとの声が寄せられました。