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本学の卒業生と教員の研究発表が日本学校メンタルヘルス学会研究発表賞を受賞
公開日:2023年4月7日

2022年の3月に本学を卒業した 後藤 知美(ごとう ともみ、メジャー:心理学)さんと、本学 清水 安夫 上級准教授(専門分野:健康教育学、健康心理学 ほか)が、2023年3月に名古屋大学で開催された日本学校メンタルヘルス学会第26回大会にて、学部生時代に執筆した卒業論文が優秀と評価され、研究発表賞を受賞しました。
研究のテーマ:
障がいのあるきょうだいを持つことによる心理的発達の特徴に関する研究
-パーソナリティ特性、ライフコース選択、親との関係性への影響による検討-
研究の概要:
本研究は、障がいのある兄弟姉妹を持つ「きょうだい」に焦点を当て、きょうだいの性格特性や発達段階での葛藤・ライフコース選択上の悩みについて、障がいのない兄弟姉妹を持つ人との比較をもとに分析をしています。
「きょうだい」は、本来ケアされるべき幼少期から、障がいのある兄弟姉妹を支援する「ケアの主体者(=ヤングケアラー)」となることを期待されるため、様々な心理的な問題を抱えていることが指摘されています。
本研究では、このようなヤングケアラーとしての役割を担う「きょうだい」の特性を明らかにすることにより、保護者による家庭内での注意点を喚起し、また、地域社会による適切な支援方法について提言することを目的としています。
分析の結果、「きょうだい」は自己主張が不足する傾向が強く、また、発達期における親との関係性やライフコース選択に葛藤を抱える傾向が高いことが明らかになりました。
後藤さんより受賞のコメント:
この度は、日本学校メンタルヘルス学会より研究発表賞を頂くことができ、とても嬉しく思っています。
社会全体に伝えていきたいと考えている研究内容が評価されたということで、心から感謝しております。この研究は、自分自身の興味や関心について徹底的に向き合うことで出てきたテーマであり、ICUでの多様な学び・人との出会いがなければ生まれてこなかったものです。今後も、本研究の内容を深めるとともに、更に分野を広げたテーマに取り組んでいきたいと思っております。
約2年間論文の支援をしてくださった清水先生、インタビューやアンケートへ協力してくださった方々等、本研究を支えてくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。