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本学学生が「SDGs『誰一人取り残さない』小論文コンテスト」で受賞
公開日:2023年6月14日

本学教養学部3年の入口侑可(いりぐち ゆか、メジャー:人類学、マイナー:社会学)さんが 2022年度 第3回 SDGs「誰一人取り残さない」小論文コンテスト(主催:野毛坂グローカル)にて入賞しました。このコンテストは、SDGsの基本理念「誰ひとり取り残さない」という視点をすべてのSDGs活動や社会活動に反映すべきとの観点から、若者の自由な発想や提案、計画についての小論文や作文を求め、またその声を広く社会に発信することを目的として実施されたものです。
小論文概要:「置いていかれる私たち:生理が見えない社会にて 」
初めて生理用品を買った日、すぐに必要なのに分厚い茶色い袋に包まれてしまいました。生理はそんなに恥ずかしいことなのでしょうか。
ICUにはオールジェンダートイレがあるものの、生理中は使えないという人も多いと聞きました。音が漏れる、経血がついてしまうかもしれないという恥ずかしさ。また、男女別のトイレまでわざわざ移動しなければならないこと。あるいは恥ずかしさで生理用品を買えずトイレットペーパーで過ごさなければならないこと。これらは当たり前のことでしょうか。
「ジェンダー平等」と聞くと、賃金格差や理系の進学率について思いをはせることが多いのですが、生理はガラスの天井ならぬ「透明の鎖」として付き纏います。生理のあるノンバイナリー・トランス男性にとっても同様です。このような偏見を乗りえるためにも生理をタブー視せず、社会全体で語らなければならないのです。
受賞のコメント :
論文作成の授業中、受賞の連絡が届き、涙が出ました。これは取り組まなければならない問題だと認められたようでした。
昨年2022年9月にオールジェンダートイレで生理用品を無料配布する団体「オク+パス」を発足させましたが、常に明るい反応を得ることが出来たわけではありません。羅 一等先生やジェンダー研究センターの皆さん、そして何より学生の皆さんをはじめ、このプロジェクトをサポートしてくれた人がほとんどではあったものの、ふと届く無関心に傷ついてもいました。「ICUに生理用品で困っている人はいない」という言葉を何度聞いたことでしょう。アルバイトをいくつも掛け持ちしている自分が滑稽に思え、奨学金に一喜一憂する友人たちを見えないものとして扱われているような気がしました。
生理用品の不足は教育の不平等を生みます。SDGsを掲げるこの賞を受賞したことをきっかけに、さらにインクルーシブな大学になってほしいと心より願っています。