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第26回人権セミナー「キャンパスハラスメントの防止について - ジェンダー・セクシャルハラスメント防止を中心に」を開催
公開日:2023年12月11日

2023年12月8日、第26回人権セミナー「キャンパスハラスメントの防止について - ジェンダー・セクシャルハラスメント防止を中心に」が開催されました。このセミナーは、人権にかかわる啓発活動や相談活動を行っている本学の人権委員会と人権相談員連絡会が、毎年世界人権デー(12月10日)の前後に開催しています。
今年度は、公益財団法人21世紀職業財団 客員講師の清水知子氏を講師として迎えました。清水氏はキャンパスにおけるセクシュアルハラスメントを中心に、その特徴や背景、なぜ問題なのか、ケーススタディ、そしてキャンパスの全構成員が被害者にも加害者にも傍観者にもならないための防止策を講じました。
講義では、一般的に大学では執行部、教員、職員、学生の全てが、さまざまな立場から、加害者にも被害者にもなる可能性が挙げられました。そして、多様な価値観をもっている構成員がいるにもかかわらず、パワーのある立場にある者が、無意識の偏見を押し付けることがハラスメントにつながりやすいことが指摘されました。
セクシュアルハラスメントには、拒否や抵抗によって不利益を受けるもの(対価型)、性的な言動により学習環境が不快と感じ能力の発揮に重大な影響が生じるもの(環境型)があります。いずれにしても個の尊厳が傷つけられ、メンタルヘルスの不調に結びつくことも稀ではありません。行為者においては刑事責任を問われることにも発展します。
性的被害を受けたときの対応としては、端的に「嫌です」「迷惑です」と伝えること(加害者への気遣いは不要)や、被害の日時場所・感じたこと・スクリーンショットなどの記録をとり、信頼できる人に相談することが重要であることが紹介されました。また、大学としても安心して相談できる場所を提供し、本人の意向を尊重して動くことの重要性が示されました。
ICUは世界人権宣言を重んじる大学として、人権侵害のない教育・研究・就労環境を整え、構成員が安心して過ごせるキャンパスの確保を基本方針の一つとして掲げています。具体的なハラスメント防止策について、一層理解を深める講演となりました。
なお、ICUではハラスメント被害にあったときに相談できる方法をこちらにまとめています。ご参照ください。