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伝統的工芸品の製作体験とギャラリー見学

公開日:2024年2月16日

2024年1月25日、ICU生と教職員有志が、伝統的工芸品の一つである尾張仏具の錺金具(かざりかなぐ)の加工技術を用いたアクセサリーの製作体験と伝統工芸品ギャラリーの見学を行いました。

今回は、日本の伝統的工芸品の普及に尽力している、一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会とのコラボ企画となり、大学とのコラボ企画としては、全国で初の試みとなりました。学生8名、教職員4名が参加し、伝統的工芸品に対する理解を深め、新しい教育の可能性を探る時間となりました。2021年度に「モノづくり入門」を受講したICU卒業生の大西直己さんが協会に就職しており、今回大学とのコラボへと発展しました。

錺アクセサリーの彫金体験では、はじめに2名の職人の方々から、尾張を中心とした錺金具について、地域性や文化の発達過程まで含む多岐にわたる説明を聞き、製作体験に入りました。銅や真鍮の板に金槌とタガネを使って模様を彫っていく「彫金」と呼ばれる作業では、香立て、ネクタイクリップ、ヘアクリップのうち1つを選んで約2時間程度の製作体験をしました。製作物は、体験後、職人の方の手による金もしくは銀メッキ加工がされ、3月ごろ手元に届きます。後日学内で、参加者による品評会を開催予定です。

体験後は全国各地の伝統的工芸品が集められたギャラリー「伝統工芸青山スクエア」を見学し、その高い技術・技法で作られた数多くの作品に触れるとともに、日本の伝統的工芸品産業が抱える課題にも触れることができました。

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参加者のコメント:
  • 今回のような製作体験の機会や日本文化に触れる機会に携わることで身近に溶け込んでしまっている日本の伝統をより可視化できました。今後も永く日本の伝統が続くよう、伝統品を購入したり周りに伝えたりと自分にもできることを少しずつ行動にしていきたいと思います。
  • 初めてでうまく出来るかどうか分からなかったのですが、実際の道具を触ってみて、自分で打ってみてだんだん実感と共に、その工芸品の良さがわかってきたような気がします。
  • 想像以上に気軽に楽しめて、でもそのぶん「綺麗なデザインで、正確に、強さを調整して/一定に保って鏨を打つ」ことがいかに難しいかを思い知ることもできました。アクセサリーの技術かと思っていたら実は仏具装飾の技術から応用しているものだと知ることができたのも驚きと嬉しい出会いでした。