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シンポジウム「なぜ難民を受け入れるのか」を開催しました
公開日:2024年7月11日

2024年6月27日、ICUの社会科学研究所(SSRI)は「なぜ難民を受け入れるのか」と題したシンポジウムを本学東ヶ崎潔記念ダイアログハウス国際会議室において開催しました。このシンポジウムはICUロータリー平和センターと共催で、日本国際基督教大学財団(JICUF)、日本学術振興会学術研究助成基金の協賛および岩波書店の協力で開催されました。
冒頭に岩切正一郎学長より開会の挨拶があり、ICUがシリア学生やウクライナ学生を受け入れてきたことを述べました。橋本直子准教授(『なぜ難民を受け入れるのか』(岩波書店)の著者)が総合司会を務め、ICUの在学生・教職員、同窓生、一般の方が110名程参加しました。
基調講演は、庇護政策と政治哲学の第一人者であるオックスフォード大学難民研究所のギブニー, マシュー教授が行いました。「なぜ国家は難民を保護する倫理的責任を負うのか(Why do states have a moral responsibility to protect refugees) 」という題目に関して、人道的原則、危害、コミュニティ、国家システムの示唆に富む視点から述べました。
その後、ギブニー教授と、キハラハント愛 教授(東京大学大学院)、ナッケン鯉都氏(UNHCR駐日事務所首席副代表)、カレーニョ, ルス・マリアさん(ICU大学院博士前期課程、ロータリー平和フェロー)によるパネル・ディスカッションが行われました。ブライアン・エイコック特任助教(ICU)が司会を務めました。「難民」の定義や、外国に逃れる方法をもたない「難民」状態の人々、定住先における困難、市民団体などによる国への働きかけの意味など、さまざまな観点で活発な意見が交わされました。
質疑応答でも、参加した国会議員も含めて、活発に議論が交わされました。
最後に、新垣修教授がロータリー平和センターを代表して閉会の辞を述べました。 シンポジウム閉会後には、橋本直子准教授との対話会が設けられ、著書『なぜ難民を受け入れるのか』(岩波書店)の見本が展示されました。
難民受け入れに難色を示すグローバル・ノースの国々が増えている時代において、あらためて難民問題を政治哲学の視点から捉え直すという大変貴重な機会となりました。
