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大学博物館 湯浅八郎記念館で特別展・三鷹市考古学展示会「野川中流域の旧石器時代ーホモサピエンス 氷期の暮らしー」開催
公開日:2024年9月17日

本学のキャンパス内にある大学博物館 湯浅八郎記念館にて、本学と三鷹市共催の特別展・三鷹市考古学展示会「野川中流域の旧石器時代ーホモサピエンス 氷期の暮らしー」を開催しています。本展覧会および講演会は国際基督教大学と三鷹市の包括連携協定に基づく「三鷹まるごと博物館」の取組みです。
本展示では、日本有数の旧石器時代遺跡の密度の高さで知られる野川流域の暮らしを取り上げます。特に ICU キャンパスのある野川中流域は、X 層という日本列島最古級の時代から、III 層という旧石器時代終末期までのほぼすべての層より、資料が豊富に出土する地域として知られています。今回、この地域の資料を集成し、層位と地点により大きく異なる石器の違いが何を意味するのか、また間氷期と氷期の環境変動のはざまに生きた人類の具体的生活の営みについて、一般向けに分かりやすく解説します。

9月9日に行われた内覧会にはメディアも含め35名が出席し、三鷹市議会より議長はじめ各議員、三鷹市の博物館事業助言者会議の委員、協力博物館関係者と、本学からは理事や博物館運営委員の教員らの臨席がありました。三鷹市スポーツと文化部部長の大朝摂子氏による司会のもと、岩切正一郎学長、河村 孝三鷹市長が挨拶に立ち、野川流域のある三鷹市大沢地域が旧石器時代には活発な人々の交流があったことへの歓びと、展示への期待を語りました。つづいて、湯浅八郎記念館福野明⼦学芸員が4つの展示の見どころを説明しました。

その後、参加者は展示を鑑賞しながら、三鷹市スポーツと文化部生涯学習課学芸員の下原裕司氏、同じく生涯学習課埋蔵文化財調査室の中山真治氏と齊藤圭子氏、そして本学非常勤講師(考古学)の林徹氏による解説を聞きました。

参加者は、旧石器時代の国分寺崖線沿い環境を示したジオラマや、同時代の沖縄にいたとされる港川人の頭骨模型を見ながら、武蔵野台地の形成史に思いを馳せました。ICU旧キャンパス内の野川遺跡から出土した石器群と、その調査記録を紹介するケースでは、旧石器研究の出発点として画期的と評価される当時のICUの発掘調査について解説がありました。続くICU構内遺跡の地層剥ぎ取り標本は、富士山の活動の武蔵野台地への影響がつぶさに見て取れる注目の展示です。最後のコーナーでは野川流域で発掘された石材100点以上が並び、当時の人の技術の進歩や交流の範囲の広さを知ることができます。AIによるイラストや映像も興味深い展示となっています。
なお、9月21日(土)には、特別展に関連する公開講座が開催されます。
第122回公開講座・三鷹市考古学講演会「野川中流域の旧石器時代 人と文化」
日時:2024年9月21日(土) 13:30〜16:00(開場13:00)
講師:長﨑潤一氏(早稲田大学文学学術院教授)
パネリスト:白石浩之氏(愛知学院大学名誉教授)・林徹氏(国際基督教大学非常勤講師)
会場:国際基督教大学トロイヤー記念アーツ・サイエンス館
聴講無料・予約不要・定員300名(先着順)
展示は 11⽉14⽇(⽊)まで行われています。
アクセスは湯浅八郎記念館のウェブページをご覧ください。
湯浅八郎記念館