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アテネ・デモクラシーフォーラム2024に本学学生が参加しました
公開日:2024年11月8日

2024年10月1日から3日の3日間、ギリシャ・アテネにてアテネ・デモクラシーフォーラム2024(Athens Democracy Forum/ADF)が開催され、ICU教養学部4年生の大久保理子さんが参加しました。
このフォーラムは、非営利団体であるDemocracy & Culture FoundationとNew York Timesが共催しており、民主主義の原則と基本的自由を守り、永続させるための戦略を探ると同時に、世界に蔓延しているイデオロギー的・政治的分断について問題提起することを目的としています。
今年は、"What is truth?"をテーマに掲げ、AI、陰謀論者や歪んだ政治家の横行によって、事実や科学、建設的な議論が阻害されているという危機的な状況にある今、真実とは何か、という問いを追及することを目的に開催されました。
ICUが加盟しているGlobal Liberal Arts Alliance(GLAA)は、世界に広がる30の加盟校から2016年より約20名の学生をこのフォーラムに招待しています。今回は22名の大学生が集まり、会議前後の準備や振り返りも含めて約1週間、アテネに滞在しました。ユースとして新鮮な視点を持って、フォーラムに招かれた様々な分野において第一線で活躍されている方々と対話をし、議論を深めました。
大久保理子さんのコメント:
この度はICUの代表としてアテネ・デモクラシーフォーラムに参加させていただきました。ICUでは社会学と政治学を専攻しています。
このフォーラムに応募したきっかけは、2年前に先輩が参加していたのを見て面白そうだと思ったこと、そしてICUの卒業を目前にした今、日本やアメリカだけでなく、世界全体で「民主主義」についてどのような議論がなされているのか知り、それを卒業後のキャリアにもつなげていきたと思ったからです。
フォーラムでは、現在進行形で起こっている中東・東欧の戦争や、長期的に懸念されている
気候変動やAIの台頭、また近年よく見られるポピュリズム色が強い政治家などについて多く議論されました。ほとんどの問題にひとつの確かな答えはなく、同じステージに招待されているスピーカーが意見を異にして緊張が走る場面もいくつかありました。
また多くの問題のなかにある共通点を、「民主主義」というキーワードをもとに見つけながら、よりより未来に向かって何が必要かの議論がなされました。
そして、短い時間ではありましたが、文字通り世界中から集まった、リベラルアーツの大学に通う21人の仲間に出会えたことも大きな財産です。実際にひとりの個人の人生に出会い、彼らと交流を通じて、世界のどこか遠くに感じられる出来事が自分の身近な出来事になり、そこから生まれる遠い場所への想像力が、まわりまって、世界の平和につながるのではないかと、帰りの飛行機で考えていました。
ここでの一番の学びは、全体の構造的なシステムを変えることは難しくても、自分の身の回りから、小さなことから一つずつ声を上げ、小さなアクションを取り続けることが大切であるということです。
アテネで得た種やヒントを、今後自分の手で少しずつ育てていきたいと思います。
最後に、アメリカやEU地域からの学生・スピーカ・トピックが多く、日本やアジア地域のプレゼンスを高めることも重要であると感じました。来年以降も、ICU生にはぜひ積極的にチャレンジしてほしいです。
このような素晴らしい機会を与えてくださったICUや教授陣に心より感謝します。