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第27回人権セミナー「ハラスメント防止の観点から、インターネット/ソーシャルメディア/SNSを使用する際に気をつけること」を開催
公開日:2024年12月16日

2024年12月13日、第27回人権セミナー「ハラスメント防止の観点から、インターネット/ソーシャルメディア/SNSを使用する際に気をつけること」が開催されました。このセミナーは、人権にかかわる啓発活動や相談活動を行っている本学の人権委員会と人権相談員連絡会が、毎年世界人権デー(12月10日)の前後に開催しています。
今年度も昨年度に引き続き、公益財団法人21世紀職業財団 客員講師の清水知子氏を講師として迎え、キャンパスにおけるハラスメントについて講演いただきました。その中でも特にSNSによるハラスメントを中心に、具体的な事例やケーススタディを交えながらその特徴やなぜ問題なのか、ハラスメントが及ぼす影響や責任、そしてキャンパスの全構成員が被害者にも加害者にも傍観者にもならないための対応策についてお話いただきました。
講演では、一般的に大学では執行部、教員、職員、学生の全てがさまざまな立場から、加害者にも被害者にもなる可能性が挙げられました。そして、多様な価値観をもっている構成員がいるにもかかわらず、誰もが持っている無意識の思い込みや偏見を相手に押し付けてしまうことでハラスメントにつながるおそれがあること、特にパワーのある立場にある者が自身の過去の経験や習慣等から生じる無意識のバイアスを押し付けることがパワーハラスメントにつながりやすいことが指摘されました。
パワーハラスメントには、「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つの類型がありますが、いずれにしても個の尊厳が傷つけられ、メンタルヘルスの不調に結びつくことも稀ではありません。行為者においては刑事責任を問われることにも発展します。
被害を受けたときの対応としては、被害の日時場所・感じたこと・スクリーンショットなどの記録を取り、一人で抱え込まず信頼できる人に相談する、大学や外部の相談窓口を利用する等の対応が重要であることが紹介されました。また、大学としても安心して相談できる場所を提供し、本人の意向を尊重して動くことの重要性が改めて示されました。
ICUは世界人権宣言を重んじる大学として、人権侵害のない教育・研究・就労環境を整え、構成員が安心して過ごせるキャンパスの確保を基本方針の一つとして掲げています。具体的なハラスメント防止策について、一層理解を深める講演となりました。
なお、ICUではハラスメント被害にあったときに相談できる方法をこちらにまとめています。ご参照ください。