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初の海外開催・南太平洋フィジーにて国連研修

公開日:2025年5月16日

外交・国際公務員養成プログラム(DIPS)の枠組みでの集中講座(大学院科目QPPI528 国連研修:持続可能な開発)として2021年から毎年行われてきた国連研修。2025年3月はJICUFの助成金を利用し、初めてキャンパスを離れ、多くの国連機関が南太平洋地域事務所を持つフィジーで開催しました。

8人の学生が教員・TAと共に成田を夜行便で出発、一度国内線に乗り換えて9日早朝にフィジーの首都スバに到着しました。その日は200年の文化的歴史を持つフィジー博物館を訪れました。翌日10日から15日まで合計13の国連機関、2つの南太平洋地域政府機構、2つのフィジー政府機関、フィジー議会、さらに在フィジー日本大使館とJICA事務所を訪問し、それぞれの専門家から各機関の使命、活動、優先課題、又フィジーや南太平洋諸国独特の問題点等を伺い、質疑応答の時間をいただきました。

訪問先機関:
国連機関:国連常駐調整官事務所(UNRCO)、国連開発計画(UNDP)、国連防災機関(UNDRR)、世界保健機関(WHO)、世界銀行(World Bank)、国連世界食糧計画(WFP)、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、ユニセフ、国際労働機関(ILO)、国際移住機関(IOM)、国連食糧農業機関(FAO)、国連女性機関(UN Women)、国連人道問題調整事務所(UNOCHA); 政府機関:Ministry of Women, Children and Social Protection、Ministry of Tourism and Civil Aviation; 地域政府間機構:太平洋諸島フォーラム事務局(Pacific Island Forum Secretariat- PIFS)、南太平洋観光機関(South Pacific Tourism Organization SPTO);日本政府機関:在フィジー日本大使館、JICAフィジー事務所

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@Ministry of Women, Children and Social Protection

それぞれの機関では、フィジー独特の、または南太平洋諸国間で共通した気候変動問題と自然災害と防災・緊急援助対策、温暖化による海面上昇によって移住するか否か、食料と栄養問題が食文化や習慣と密接に関連し、健康問題に発展する理由、女性や子供を家庭内・学校内暴力・体罰からいかに保護するか、持続可能な観光政策等フィジー政府の見解、国連機関や地域機構の支援対策、SDGsを含めたコーディネーションの枠組みなどについてそれぞれの立場の話を聞き、学生達と質疑応答の機会を持てたことは大変有意義でした。現場ならでは各部署の雰囲気、各分野のプロフェッショナルの熱意やコミットを感じられたことは学生一人一人にとって滅多にない経験になったことでしょう。

ICUの同窓生を含む異なった国連機関(ESCAP, IMO, UNICEF, WHO)のフィジー地域事務所に勤める邦人職員を交えての夕食会にてそれぞれのキャリアパスをお話しいただけたのは貴重な機会でした。また、在フィジー日本大使の計らいにより、日本を短期間訪れた南太平洋大学の小島嶼国出身の学生9名との大使公邸での交流会も思い出深いものになりました。

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@Parliament of the Republic of Fiji

参加した学生は、例年のようにそれぞれのセッションの要点のノート取りやまとめ、質疑応答のセッションを担当することが課され、研修後は有志学生が編集チームを組み、報告書の作成に取り組みました。参加学生からは、「それぞれ研修を振り返って国連の役割や活動に対しての理解を深めることができた」、「いかに様々な分野の問題が連携しているか」、「災害などに対して事前に防ぎ、前もって準備するかの大切さを学んだ」、「自分の今後の進路を考えることに大変役立った」などの意見がありました。

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左:@UNRC、右:@UNICEF

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@UNOCHA

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@Residence of the ambassador