NEWS
NSフォーラム「1%の変革が未来を創る ~生成AI時代のDX戦略~」を開催しました
公開日:2025年6月9日

2025年5月29日、本学T館において、NSフォーラム「1%の変革が未来を創る ~生成AI時代のDX戦略~」が開催されました。司会は石橋圭介教授が務め、AIエンジニア・起業家・SF作家である安野貴博氏が、生成AIを活用したDX戦略について解説しました。当日は学生・教職員あわせて約100名(オンライン含む)が参加しました。
NSフォーラムは、自然科学デパートメントが主催し、学外の研究者・技術者による最新の技術や研究成果を紹介するセミナーシリーズです。
安野氏は、従来の新聞・テレビ・初期のインターネットのような「ブロードキャスト(発信)」型情報のあり方だけでなく、進化したテクノロジーを活用して多様な意見を受け取る「ブロードリスニング(受信)」の重要性が高まっていることを説明しました。続いて、ブロードリスニングを可能とするテクノロジーの実例を紹介し、新たなAI技術を活用したDXの推進について解説しました。さらに、すべての民意を取り残すことなく政治に反映させるために、AIをどのように活用していくべきか、またDXを進める際の注意点についても言及しました。
また、ソフトウェアやシステム構築において用いられているオープンソースの概念を政治に活かす可能性についても触れ、高度な技術知識がなくても、YouTubeや電話などの基礎的な伝達手段を活用することで民意を伝えることができると述べ、広い手段の必要性を説きました。
講義後は多くの学生から質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。「AIの暴走や規制についてどう考えているか」という学生の質問に対し、安野氏は「AIは強力なツールであり、良い方向にも悪い方向にも使用できる。良い方向に使う道を残すためにも、技術そのものの保有を規制するのではなく、悪用に対してしっかりと規制すべきではないか」と回答しました。
フォーラム終了後、参加した学生からは以下のような感想が寄せられました。
「生成AIを活用した市民参加型の政策づくりの可能性にとても驚きました」
「取り組みのアプローチがとてもユニークで面白かった。自分もテクノロジーを活用して、なにか新しいことを成し遂げてみたいと強く思いました」
「AI技術にも限界があることを踏まえ、どの程度技術を信用し、どこまで頼るかを考えるには、リテラシーを身につける必要があると実感しました」
「AIを活用して膨大な情報を私たち人間が理解しやすい形に整理し、その情報をもとに人間が軸となって考えていくことで、AIとの共存が可能になると思いました」
今回のNSフォーラムは、生成AI時代におけるDX戦略と社会参加の可能性について考える貴重な機会となりました。