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本学学生が国際人道法ロールプレイ大会で優勝

公開日:2025年11月6日

写真右からBuckleさん、石岡さん、井上さんと審査員写真右からBuckleさん、石岡さん、井上さんと審査員

2025年11月1日に東京大学駒場キャンパスにて開催された国際人道法ロールプレイ大会(※)で、本学教養学部4年の石岡紗織(いしおか さおり、メジャー:法学)さん、井上燎(いのうえ りょう、メジャー:国際関係学、マイナー:法学)さん、交換留学生(一年本科学生)のEleanor Kate Buckle(イギリス The University of Sheffield)さんのチームが優勝しました。
※主催:赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表部、東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム (HSP)、後援:外務省・日本弁護士連合会・日本赤十字社・防衛省・自衛隊・東京大学大学院総合文化研究科 グローバル地域研究機構(IAGS) 持続的平和研究センター

本大会は、国際人道法の知識を使って議論や交渉を疑似体験することを目的としています。学生は、武力紛争下におけるさまざまな架空の状況下で人道支援団体をはじめ民間人、武装勢力など、与えられた役割を演じ、国際人道法(International Humanitarian Law: IHL)の理論と実践について理解を深めました。

優勝したICUチームには、世界的に著名な国際大会であるジャン-ピクテ・コンペティション(Concours Jean-Pictet)への出場権が与えられました。今後のさらなる活躍が期待されます。

学生のコメント:

石岡紗織さん
今回、大会で優勝することができ、大変光栄に感じております。
まずはこの場をお借りして、大会の主催者の皆さま、一緒に準備を進めたチームの二人、そしてきっかけをくださった松田先生と先輩方にお礼申し上げます。
これまで私は、学問として人道法を学んできましたが、今回の大会を通じて、その知識が現実の現場でどのように生きるのかを体感することができました。戦闘下の状況での軍事判断や捕虜として抑留されている人々への対応をシミュレーションする中で、人道法は単なる枠組みではなく、人命や尊厳を守る力になることを強く実感しました。
大会では、政治学や国際関係論のバックグラウンドを活かした多角的な視点やチームワークが評価に繋がりました。ICUならではの学際的で主体的な学びの経験が応用力を鍛えてくれたと思います。
国際大会では、さらに力を発揮できるように、よく準備して取り組みたいと思います。

Eleanor Kate Buckleさん
この素晴らしい大会に参加する機会をいただき、心から感謝しています。ICUへの交換留学を通して、親切な人々と出会い、母校に戻ってからも忘れられないであろう思い出を作ることができました。松田浩道教授とICUの先輩方のサポートと指導、そしてこの素晴らしい経験をさせてくれたチームメイトに感謝いたします!

井上燎さん
今回の大会では、架空の軍の標的が人道法的に合法なのかという問題や、内戦で捕虜になった人々の扱いといった問題にさまざまな役を演じつつ向き合いました。国際人道法の学術的理解や、ロールプレイをこなす方法などに関して不安も多い中でしたが、チームの多才な二人のおかげで優勝という栄誉に与ることができました。大会参加に当たって教材を紹介してくださったり、そもそも大会について教えてくださった法学の松田浩道教授と、アドバイスをくださった先輩方に感謝申し上げます。優勝だなんて、人生初めて!やったァ!

松田浩道准教授のコメント:

国際人道法ロールプレイ大会は、理論と実践をバランス良く身につけることができる貴重なアクティブラーニングの機会であり、2025年度は「公法学」の受講生が主導して参加しました。ICUチームは既にフランスで開催された国際大会でも優秀な成績を残しており(2019年5月受賞報告ニュース)、今回も世界水準のリベラルアーツ教育の成果を示すことができました。今後も、学生の主体的な学びをサポートすることを通じて「リベラルアーツの中の法学教育」を探究していきたいと思います。
ICU研究者情報データベース:松田浩道准教授