「ICUで教える魅力」

ICUの専任教員は、文化的多様性に富んだ学術コミュニティで献身的に働いています。本学は伝統的に学問の自由と人権を強く尊重しており、学生には責任ある地球市民となることを期待しています。キリスト教精神によって立つ大学ですが、カリキュラムは信徒をつくることは目的としておらず、クリスチャンではない学生が大半です。指導において最も重視する目標は、学生が批判的思考を身につけ、個人として合理的な判断をし、有意義で責任ある人生を送る準備ができるように導き、支えることです。

ICUではバイリンガル教育を行っており、大半の授業を日本語もしくは英語で実施します。学生の大部分は日本語もしくは英語のネイティブであるか、ネイティブに近い運用能力を持ち、日英以外の言語も第二言語(あるいは第三言語)として幅広く学んでいます。異なる言語的背景の学生同士が教室の内外で交流することによって、学生は文化や言語の多様性を身をもって体験することができますし、それらの違いについて日常的に話し合うことで、受容的な文化の醸成にもつながります。ノンジャパニーズ教員にはある程度の日本語力を持つ人も多くいますが、本学の活動の大部分は2カ国語で表記もしくは伝達されますので、日本語力が限定的であっても問題はありません。

新任教員は着任後すぐに、New Faculty Development Program(NFDP)に参加します。NFDPでは本学に関するオリエンテーションを提供するほか、本学の歴史、文化、目標について共通の理解を醸成します。NFDPへの参加はICUでの生活を順調に始める助けになります。また、テニュアトラックの助教には、担当のメンターが配置され、ICUでの活動開始を支援するとともに、明確な制度のもとでのテニュア取得と准教授への昇任を補佐します。

教養学部の准教授・教授は、広範な一般教育科目、基礎科目、専門科目、大学院レベルの科目の授業を担当します。学生はインタラクティブな指導を期待しており、反応も良好です。学生の開放的な精神と探究心溢れる態度によって、教えがいのある授業ができます。
本学が主に目指しているのは学部生に質の高いリベラルアーツ教育を提供することですが、同時に、研究も重視しています。准教授、教授には特別研究期間制度(サバティカル制度)を設けており、専任教員には日本政府が提供する研究資金の申請(助成金は日本語または英語の文書で申請可)を奨励しています。また、複数の研究機関を招聘し、単独あるいは合同の研究プロジェクトを推進しています。ICUではこうした研究と教育の相互作用によって両分野が一層強化され、活発な知的活動が行われています。

エスキルドセン, ロバート
学務副学長