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本学学生が情報ネットワーク若手研究奨励賞を受賞

公開日:2021年3月23日

本学大学院博士前期課程(MA)2年の内田 拓海さん(うちだ たくみ、理学専攻数学情報科学専修 )が、情報ネットワーク若手研究奨励賞を受賞しました。

電子情報通信学会 情報ネットワーク研究会では、毎年1月〜12月に発表された論文の中から、特に優秀であり今後の活躍が期待される若手研究者(満32歳以下)を若手研究奨励賞として表彰しています。

 

研究のテーマ:

「潜在トラヒックを考慮したトラヒックエンジニアリング手法の検討」

本研究は、インターネットなどの通信ネットワークが輻輳(ふくそう:渋滞)している際に、通信を迂回させることで輻輳を解消する制御(経路制御)に関するものです。一般的に通信ネットワークの経路設計は、観測された通信需要(トラフィック)に基づいて行われます。しかし、輻輳して通信品質が劣化しているときには、インターネット利用者が通信を諦めるなどの行動変化により需要自体が観測されず潜在化している可能性があります。この場合は観測トラフィックに基づく経路設計では輻輳は解消されません。本研究は潜在需要を推定し、その推定需要にもとづく経路制御を考案しています。潜在需要に基づく経路制御は新しい概念であり、通信ネットワークのみならず道路網など広い応用分野が期待されます。

 

受賞した内田さんのコメント:

このような賞をいただけたことをとても嬉しく思います。私はICUの教養学部でも情報科学メジャーを専攻していましたが、インターネットトラヒックに関する研究は大学院からはじめました。また大学院まで学外での研究発表に参加した経験があまりなかったために、表彰いただけてとても励みになりました。このような経験を糧に修了後も精一杯努力していきたいと思います。

身近に使われているインターネットに関する研究をしてみたいと思ったところから、このような賞をいただけるまで、研究に関するアドヴァイスから研究会への参加など、さまざまな場面でアドヴァイザーである石橋圭介先生(ICU准教授)をはじめ多くの方に支えていただいたことが結果につながりました。心より感謝申し上げます。