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外交・国際公務員養成プログラム 2周年記念イベントを開催

公開日:2021年4月30日

2019年に開始した本学大学院の外交・国際公務員養成プログラム(DIPS)はこの春2周年を迎え、4月10日(土)、17日(土)と二部構成で記念イベントが開催されました。一部・二部合わせて延べ200人ほどの参加があり、本プログラムへの関心の高さを伺えるイベントとなりました。

 

第一部:4月10日
パネルディスカッション「ICUから外交官を目指す」「国際機関で働くということ」、国連研修報告会 

オンラインと対面によるハイブリッド形式で実施され、午前は吉川元偉特別招聘教授(元国連大使・ICU卒業生)とICU卒業生で外交官の本田誠氏、笹田拓志氏、近藤明梨氏の3人を招き、「ICUから外交官を目指す」をテーマにパネルディスカッションが実施されました。

午後は「国際機関で働くということ」をテーマに、森田宏子講師(DIPSアドバイザー・元国連職員・ICU卒業生)をモデレータに、国連世界食糧計画(WFP)代表 焼家直絵氏(ICU卒業生)、国連開発計画(UNDP)近藤千華氏、国際労働機関(ILO)田中竜介氏の3人のゲストに登壇いただいたパネルディスカッションのほか、3月に実施した国連研修参加者による報告会も行われました。

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参加者にはこの春入学したばかりの学生も多数含まれ、学びとキャリアのつながりや学生生活の過ごし方、育児とキャリアを含めワークバランスをどのように考えるかといった質問のほか、ときには職責に対して厳しい選択も求められる中で、いかにやりがいを見出していくのか等、外交・国際公務員として働く諸先輩方からの臨場感あふれるやりとりに、会場参加者からはもちろんのこと、オンライン参加の学生(他大学生・ICU高校生も含む)からも活発に質問が寄せられました。

 

第二部:4月17日
元国連事務次長明石康氏講演会

4月17日、国連事務次長やカンボジアと旧ユーゴスラビアで国連事務総長特別代表を務められた明石康氏を招いて、ICUで講演会が開かれました。講演はオンラインにより英語で行われ、ICUの学生教職員のほか、東京外国語大学、国際教養大学、上智大学など他大学の学生らを含め100人を超える参加者がありました。司会は、吉川元偉特別招聘教授(元国連大使・ICU卒業生)が務めました。

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講演会の冒頭、岩切正一郎学長より、歓迎の挨拶があり、その中で明石氏がICU創設期に助手としてICUで教えた経験をお持ちであることの紹介がありました。
"A few Thoughts on the United Nations"(国連に関するいくつかの考察)と題する明石氏の講演は、約1時間にわたり、ご自身の経験に基づいた洞察に富むお話でした。また明石氏は、講演後も、長時間にわたりオンラインで寄せられた多くの質問に丁寧かつ的確に答えて頂きました。

以下、講演の主要点

―東京大学卒業後フルブライト奨学金を得てアメリカ留学中の1956年夏に、たまたま参加した学生セミナーに国連事務局の幹部が来ていた。その数ヶ月後に日本は国連に加盟し、セミナーで会った幹部から国連で働かないかとの誘いを受けて国連初の日本人職員となった。

―国連事務局では、政務局を振り出しに、職員組合委員長を含め数々の国連事務局でのポストに加え、国連日本代表部での5年間の勤務を経て、1979年には国連事務次長Under-Secretary-Generalに昇格し、広報局長、軍縮局長、そして92―95年には、カンボジアと旧ユーゴスラビアという重要な紛争地で国連事務総長代表(SRSG)を務めた。

―国連で働き始めた際に目撃した成功(スエズ紛争)と挫折(ハンガリーへのソ連の介入)。

―カンボジアで大規模な複合型PKOを、国連のトップとして成功裏に終えることができた理由。

―旧ユーゴスラビアで直面した困難な課題。NATOの空爆に関する方針と国連の武力行使に関するガイドラインの調整を図るという問題。Gorazdeへの空爆を回避するためにMirosevic大統領と深夜まで行った交渉妥結の秘話。

―国連は静的staticなものではなく、環境に応じて絶えず変化していることを理解しないといけない。例えば、国連平和維持活動PKOは、国連憲章には規定がないが必要に応じて設立され、国際環境に対応してその任務内容は大きく変貌している。

―国連機関についても、同様のことが言える。総会が機能しない時には安全保障理事会が、安保理が機能しない時は緊急総会が役割を果たした。総会も安保理も機能できない時には、国連事務総長が役割を果たせる。

―紛争においてメデイアの役割は重要だが、クリストファー元米国務長官が指摘したように、メデイアの過剰に感情的な報道は、過早な介入premature interventionと性急な撤退precipitous withdrawalにつながりかねない。

―国連の仕事には成功も失望もあるが、長期的かつ歴史的視野からその活動を評価すべきである。

―最近の国連の動向として世界的ガイドラインに基づいて各国の政府のみならずNGO、学界、地方自治体などを含めた多くのステークホルダーが関わっている良い例が3年間の間しっかりした業績を積んできているSDGsがある。 平和に関連するSDG16の仕事は複雑なだけに漠然としたところがあるが近頃NGOの多くが国連をこの分野で助けようとしているいい傾向が見られる。

―世界各国は相互に関係しており、日本一国のみが"隔離された平和isolated peace"を享受することはできない。平和国家を謳う日本は、国連の行う平和維持活動には全て参加できるのが当然であろう。

―学生からの質問に答える上で明石氏は日本人が他国文化・多言語環境に熟練する必要性を説いた。 日本人であることを意識しすぎず、言語力以上に世界が繋がっていることを認識する必要がある。 又、経験上交渉は芸術であり、共通点を見出すためのスキルと文化的感受性を良いコミュニケーションと対話を通じて探る必要性を強調された。

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※イベントの模様はICU-TV(学内関係者限定)で公開されています。

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