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松浦武四郎「一畳敷」原寸模型が佐倉に出張中

公開日:2023年3月16日

このたび、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館(以下、歴博)からの依頼を受け、同館企画展「いにしえが、好きっ!―近世好古図録の文化誌―」にて、湯浅八郎記念館所蔵の「一畳敷」原寸模型が展示されることとなりました。

古い器物や文書に心惹かれ、収集に熱中した江戸時代の好古家(こうこか)たち。彼らはコレクションの模写や拓本をまとめた図譜(現代でいうところのカタログ)の編纂にも勤しみました。2400件もの資料を記録した歴博所蔵の『聆涛閣集古帖(れいとうかくしゅうこちょう)』もそのひとつ。本展は、この『聆涛閣集古帖』に描かれた古器物を、実物とともに紹介する見応えたっぷりの企画です。一畳敷は、当時の好古家ネットワークの中にいた松浦武四郎ゆかりの展示品として登場します。

国の登録有形文化財「泰山荘」は、ICU創立以前から現在のキャンパス内にあった茶室付き別荘で、書院、待合、高風居(茶室と書斎「一畳敷」)などが往年の姿のまま保存されています。

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泰山荘の一角にある高風居(左)と一畳敷の室内(右)

特に一畳敷は、建築としても歴史的にもユニークな建物で、140年近く前に造られたこの建造物の保全と研究のため、湯浅八郎記念館は精巧な原寸模型を製作し、展示・紹介してきました。

2月某日、湯浅八郎記念館で慎重に解体・梱包された模型は、専門業者の車輛で展覧会場へ運ばれ、二日間かけて再び組み上げられました。

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搬出される原寸模型

ほの暗い展示室の中、全国から集まった国宝や重要文化財を含む貴重な資料群と並んで展示された一畳敷模型は、湯浅記念館に設置されていた時とはまた違った雰囲気を醸しています。

3月7日(火)の開幕日は、春の陽気とあって、多くの方が来館されていました。隣接する佐倉城址公園の桜の季節もまもなくです。会期は5月7日(日)までとなります。

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歴博の展示室に運ばれた原寸模型(画像提供:歴博)

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展覧会会場入り口

 

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