雑木林再生プロジェクト
1.雑木林再生プロジェクトとは?
「ICU三鷹キャンパスの森」は、武蔵野の雑木林の面影が残る貴重な森です。動植物のポテンシャルが高く、キンラン等の希少種を含むさまざまな動植物が今も息づいています。しかし近年、樹木の老齢化が進み、倒木やナラ枯れ病の蔓延、外来種の侵入による生物多様性の低下などの問題が起こっています。
そこで、「ICU三鷹キャンパスの森」にかつての若い雑木林を再生させ、武蔵野の原風景である生態系の復活を図ることを目的に、2024年度から本プロジェクトをスタートさせました。グローバルハウスの南側をプロジェクトエリアとし、10年間をかけて雑木林を再生します。

雑木林とは?
雑木林は、かつて武蔵野地域に広がり、人の生活と共にあった自然環境です。薪などを得るために木を伐採、田畑の肥料を得るために落葉かきをするなど、継続的に人の手を入れてきました。雑木林の木々は、伐採されても芽を吹いて再生します。この特徴を活かし、20年に1回程伐採を繰り返すことで、継続的な利用が可能になります。木々は放置すると大きくなり、暗い森になりますが、雑木林は人が関わることで、明るい森として維持されます。自然界ではあまり見られない明るい森には、雑木林特有の生きものたちが息づいています。 雑木林は、生物多様性豊かなサステナブルな森なのです。

2.「ICU三鷹キャンパスの森」目標像
かつて武蔵野地域に広がっていた、適度に管理の行き届いた15~20年生の若い雑木林を基本に、生物多様性の向上、継続的な保全管理の環境づくり、学内の教育の場としての更なる活用も視野に入れて、目標像を設定しています。

3.プロジェクト概要
対象エリアの雑木林再生に向け、以下項目の作業を年度ごとに計画し、継続的に実施しています。

4.プロジェクトスケジュール
当プロジェクトは10年間かけて実施します。プロジェクト後に継続的に保全管理ができる仕組づくりを目指し、年度ごとに以下の目標を定めています。

本学学生や教職員のみならず、卒業生や市民のみなさまとともに、地域の重要な自然資産である雑木林の再生に取り組むため、様々なイベント開催や情報発信を行っています。活動の最新情報は、公式インスタグラムをご覧ください。
参考資料:
雑木林再生プロジェクト概要PDF(ICU_FarmPROJECT_250401.pdf)
ICU三鷹キャンパスの森とは?
国際基督教大学のキャンパスは、2023年に「ICU三鷹キャンパスの森」として、環境省が主導する「自然共生サイト」の認定を取得しました。キャンパスの生物多様性保全に貢献し、この豊かな自然を大学および高等学校の教育研究の場として、次の世代に受け継げるよう努めます。
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