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地球市民社会論シリーズ「核軍縮と持続可能な平和」

公開日:2021年1月22日

ゲストスピーカーの川崎哲氏ゲストスピーカーの川崎哲氏

2020年は原爆投下から75周年、2030年に向けたグローバル目標である国連持続可能な開発目標(SDGs)達成のための10年です。そして、2021年1月には核兵器禁止条約が発効されました。

教養学部専攻科目「地球市民社会論」(担当:毛利勝彦教授・国際関係学メジャー)では、「いま地球市民社会はどこへ向かっているのか」と題し、とりわけ核軍縮やSDGsの実現に向けて国際NGOの第一線で活躍する方々を講師にお迎えし、地球市民社会の動向を伺っています。

2020年12月11日(金)の公開講演第1回目は、ピースボート・共同代表/核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)・国際運営委員の川崎哲氏に「核兵器の終わりの始まり〜持続可能な平和を目指して〜」というテーマでお話しいただき、90人ほどの学生が参加しました。

核兵器禁止条約採択に際し、被爆者のサーロー節子さんが述べられた「核兵器の終わりの始まり」という言葉のとおり、「核兵器はなくすことができる」という川崎氏の力強い言葉で講演は始まり、2021年1月に発効した核兵器禁止条約の成立に果たしたICANの役割や第1回締約国会議に向けた展望を解説しました。講演では「核の傘でなく、非核の傘こそを広げるべきだ」「規範とともに社会は変わってきた」「持続可能な開発目標(SDGs)と軍縮の関係について新たな議論の発展が望まれる」などの点が指摘されました。

「気候変動、感染症など私たちの命を脅かすものは様々あるが、その1つである核兵器は人間がつくったもの、たった75年前につくったもの、なくそうと思えばなくせるもの。」「学生の皆さんは被爆者の声を聞くことができる最後の世代。是非、被ばく者の声を聞いてください。」というメッセージで講演は締めくくられました。

学生から「核兵器製造企業への投資を停止する動きが最近出てきたのはなぜか」「核兵器禁止条約が核保有国と非保有国の分断を生んでいるのではないか」などの感想が寄せられ、「人道的軍縮の動きの中で核兵器も対象となった」「分断を生んだのはむしろ核不拡散条約だ」といった議論が展開されました。

講演会に参加した学生からの感想

・核兵器禁止条約の発効が迫っており、今注目のあるトピックであるため、自分にとっても関心のあるテーマでした。ICANの活動、核兵器禁止条約や核抑止に関する議論に関して、噛み砕いて説明してくれたので、とても分かりやすいご講演でした。紹介してもらった資料をもとに、自分も積極的に周りの人に発信して関心を広げようと思います。

・北朝鮮の台頭や米中摩擦、米ロ間の新START条約交渉など、核に関する安全保障問題に国際社会が直面している中、講義の最初に川崎さんがおっしゃった「核兵器はなくせる」という言葉に強い衝撃を受けました。核廃絶に向けたアプローチとして、法的側面、国際社会の動き、被爆者の声、市民団体の活動、川崎さんご自身の経験に基づく考えと多角的な視点が組み込まれた講義で、多くの学びを吸収することができました。質疑応答では、ICUらしいクリティカル・シンキングな問いを挙げた学生もおり、同じICU生からも新たな考えを得ることができた講演でした。

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