ジェンダー・セクシュアリティ研究

担当教員によるメジャー紹介

各担当教員がメジャーの学びや魅力を紹介します。

Mission Statement

本メジャーは、学際的なアプローチをフルに生かし、ジェンダー・セクシュアリティの視点から既存の「知」を問い直すことによって、学問の新しい地平を開拓することを目指している。

人は、性やジェンダーと全く無関係に生きることは出来ない。私たちはこの世に生まれると医学的な言説を通じて特定のジェンダーを割り当てられ、さらに生きていく過程で常にジェンダー化される。日々「女は女らしく」、そして「男は男らしく」というジェンダー規範のメッセージに遭遇し続けるうちに、自分でも社会が求めるジェンダー規範通りに振舞うことを「自然」とみなすようになる。近代社会が男女二元論と異性愛主義を土台として構築されてきたことを考えるだけで、人や社会、また思考そのものを理解するためには、ジェンダー・セクシュアリティの視点が必要不可欠だということがわかる。当初、生物学的性差である「セックス」とは異なる、社会的・文化的に規定された性差として定義された「ジェンダー」概念も、近年のセクシュアリティ研究やクイア・スタディーズの発展に伴い、認識論的にさらに深く考察されるようになった。この分野はまだ新しい学問領域であり、これからもダイナミックに深化することが予測されるが、さまざまな研究分野で考察が積み上げられてきている。

したがって本メジャーの専攻生には、①性やジェンダー、セクシュアリティという基本的な概念、その社会構築性をしっかりと理解し、②教育、職場、家庭などにおけるジェンダー秩序の構築・再構築のプロセスや、言語やメディアによるジェンダー化されたメッセージなど身の回りの日常的な事象を、ジェンダー・セクシュアリティ研究の視点で捉えてもらいたい。③かつ不平等、階級、権力をめぐる議論、「自然」対「文化」をめぐる議論など、スケールの大きな理論的問題に果敢に取り組む姿勢を身につけてもらいたい。

Learning Goals

本メジャーの目標は以下の通りである。

  1. ジェンダー・セクシュアリティの視点を身につけること。そのためには、特に専門科目のコアコースをできるだけ多く履修して、既存の思考法に浸透している男 女二元論や、異性愛主義的な偏りに気づき、自らのさまざまなフォビア(異性愛とは異なるセクシュアリティへの嫌悪・恐れ)を見つめてもらいたい。
  2. ジェンダー・セクシュアリティ以外にも、階級・階層、人種・民族・国籍、教育、障害の有無など、あらゆる不平等な関係に敏感になること。線引きによる区別 がいかに差別につながるのか、差別はいかにして構造化されるのか、構造化されることによりいかに不可視化されるかを見極める力をつけてもらいたい。
  3. 学際的なアプローチを生かし、リベラルアーツの強みを活かすこと。さまざまなアプローチに親しみ、異なるアプローチや分析方法を複合的に使う技量を養い、多様で複雑な社会現象に挑戦するスキルを磨いてもらいたい。

担当教員