Every Day is “Global” at ICU.

-日常に息づくICUの「グローバル」-

Global ICU

卒業生の声

*肩書はインタビュー当時のものです。

*肩書はインタビュー当時のものです。

萩野 あかね 
株式会社サンライズ
管理本部 新本社推進室 デピュティゼネラルマネージャー
2003年 教養学部語学科(当時)卒業

「日本のアニメーション」を全世界に発信する
ICUで培った力がそのベース

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国境を超えて感動を与えるアニメの魅力

『機動戦士ガンダム』をはじめとするアニメの制作会社・サンライズに勤務しています。2020年4月より自社及びグループ会社3社の拠点統合ための期間限定プロジェクトに携わっていますが、2003年の入社以来、キャリアのほとんどを海外営業部で過ごしてきました。

弊社ではアニメを制作するだけでなく、プラモデル、グッズ、各種出版物やイベントといった他の商品やサービスに展開する、いわゆるライセンスビジネスを行っています。その際、ライセンス先との契約や商品化のクオリティをチェックする「監修」が必要となりますが、こうした業務を海外の企業を相手に行うのが海外営業部の主な役割です。またそれだけにとどまらず、制作したアニメを海外に発信する業務全般を幅広く担当してきました。

特に印象に残っている仕事が、2010~14年に展開した『機動戦士ガンダムUC』の世界同発プロジェクトです。この作品では日本だけでなく世界で同時に劇場公開、ブルーレイディスク(BD)の発売、さらにインターネット配信を行うという、業界でも前例のない試みに挑戦しました。

こうした手法が功を奏し、作品は世界的に大ヒット。BD・DVDも記録的な売上を達成。作中に登場する「ユニコーンガンダム」が2代目のガンダム立像としてお台場に建設されたのも、世界中のファンに支持された結果です。また、この作品のプロモーションや展開方法が以降のスタンダードになるなど会社として大きな財産を築くとともに、個人的にも初めて本格的なローカライズ版(英語吹替や各国語字幕制作)制作業務に携わり経験値が大きく上がりました。

他にも海外のアニメコンベンション等で声優やクリエイターを伴ってのイベントを多数開催したこと、ハリウッド映画へのガンダム登場に関わる契約を取りまとめたことなど、印象的だった業務は数え切れません。2016年度には海外営業部として過去最高益を達成、2018年度には会社の年間最優秀部門に選ばれ、大きな達成感を覚えました。

この仕事で何よりもやりがいを感じることは、アニメを通して誰かを勇気づけたり、感動を与えたりできる点です。実を言うと私はアニメに関しては、見ることはもちろんありましたが、大好き、というほどでもなく、「ガンダム」シリーズもサンライズの入社試験を受ける前まで見たことがありませんでした。

アニメ業界に興味を持ったきっかけは、ICU在学時の留学中にアメリカ人のルームメイトが日本のアニメに熱中していて、その画面に「サンライズ」の文字があったことです。そして、就職活動中に自分が何をしたいのか分からなくなった時にふとそのことを思い出し、サンライズを調べてみると、私が子供の頃に見ていたアニメも制作していたことを知りました。国境を超えて人に感動を与えられる。それがあるだけで世界がつながって平和になる。そんなアニメの魅力に惹かれ、そうした折にサンライズの海外営業部の求人を発見。無事入社することができ、現在に至ります。

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「どうしてもここで学びたい」という衝動

受験生の時、志望校選択にあたって考えていたのは「大学では勉強にしっかりと取り組んでみたい」ということでした。というのも、高校生の時に成績が落ちて、与えられた科目を覚える学びの意味が分からなくなり、学ぶことがつまらないと感じる時期があったのです。でも、もっと幅広く学べば「自分の学びたいことに出会えるのではないか」、「学ぶことはもっと面白いはず」と思いながら、たまたま母から名前の出たICUの資料を取り寄せてた際、ICUは「少人数制教育」、「学問としての英語学習」、「転科が自由」*「幅広く学ぶ」「主体的に学ぶ」大学であることを知りました。そして、高校3年生の夏休みにICUのキャンパスを訪れた時、「ここで学びたい!」と強く感じたのです。その感覚は理屈ではなく衝動的なものでした。
*2007年度までの6学科制時代のこと。現在は教養学部アーツ・サイエンス学科のみ。

現役の時は不合格だったのですが、「どうしてもICUじゃなきゃダメだ」と思い、一年浪人して入学することができました。実際に入学してみると、「期待どおり、みんな学びに意欲的だ」と、うれしい気持ちになったのを覚えています。ICUでの学びは高校までの「記憶型」とは異なる、「理解型」でした。知識を詰め込むのではなく、論理的に理解して自分の中に落とし込む。入学してすぐには大学での勉強法に苦戦しましたが、、周りの学生を見習い、徐々に自分の中で確立することができました。以降、学びがどんどんと面白くなり、「学びはもっと面白いはず」と、高校時代に思っていたことがようやく実感でき、学びへの意欲が向上しました。

高校まで地方に住んでいたこともあり、ICUに入学したからには「英語をもっと話せるようになり、異文化を体験したい」という思いがありました。英語は好きで、高校までは英語が得意な方だと思っていたのですが、ICUでは周囲の学生の英語レベルがまったく違いました。そのような中での学びなので、最初は大変な思いもしましたが、交換留学を在学中の一つの目標に学びに邁進しました。交換留学の選抜には厳しい成績の条件があるので、全ての科目でA評価を取れるよう努力していました。その甲斐もあり、3年次にアメリカ・ミシガン州のGrand Valley State Universityで10カ月の留学を経験。異国の文化には、自分の価値観や常識が当てはまらないことが想像以上に多くあり、よい意味でカルチャーショックをたくさん受けました。また、留学先では後にも先にもあんなに勉強したことはないというくらい勉強漬けの日々でしたが、帰国後、TOEIC®のスコアが100以上もアップしていました。留学したことによって自分の視野がさらに広がりかつ語学力が向上、そして何より今の仕事のきっかけとなるルームメイトと出会えたので、本当に留学してよかったと思っています。

卒業論文は、言語学の分野で、ひらがな・漢字・カタカナの持つ印象の違いをまとめました。言語学を専攻したのは、1年生の2学期に履修した言語学の授業がとても面白く、ここでも何か直感的なものを感じ、人文科学科から語学科に転科して、以降は言語学を中心に学びました。当時の言語学の先生方の授業は、どれも熱がこもっていて、大変に素晴らしく、刺激に満ち溢れていました。

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大学時代に培った、一生モノのスキル

ICUで培った力はいくつもありますが、どれも仕事だけでなく、人間として重要な一生モノのスキルだと感じています。

特に理解型の学びの方法やその面白さを体得し、何事においても学び続ける意欲と姿勢を身に付けたことは大きな財産となっています。例えば、海外営業部の仕事で海外の企業と契約を結ぶ際にも、法律の専門家ではないからよくわからない、と逃げるのではなく、契約書の内容を一つ一つ読み込んで理解することでわかることがたくさんあります。理解し、自分の中に落とし込むことで、こういう条件では自分たちが不利になるのではないか、もっとこうした方がお互いによいのではないかと、適切な判断ができたように思います。

また、社会人はさまざまな場面で、相手に自分の考えを適切に伝えること力が求められます。この力には、自分の考えを客観視する、物事を多角的に見る、自分の考えを言語化するなどが必要で、これらもICUで磨かれたと思っています。考えを相手に適切に伝えるということは社会人として当たり前の力だと思われるかと思いますが、案外できていない人も多くいるというのが私の印象です。『機動戦士ガンダムUC』のプロジェクトに私が選出されたのも、それ以前に海外の市場が落ち込んでいること現状について、自分の考えを提案資料にまとめ、役員に上申していたことを、ある担当役員の方が覚えていてくれたことがきっかけです。この提案資料を作成する際は、ICUで学んだエッセイの書き方をフルに活用しました。自分の考えを整理して言語化して残しておくと、数年後に何かの役に立つということもありますし、会社のこと、自部署のことを説明することは日々あると思うので、客観的・多角的に見る力、言語化する力はとても大事なことだと確信しています。

大学の4年間は、遊んだり、アルバイトをしたりと、さまざまな経験ができる期間ではありますが、私個人としては「大学ではできるだけ学んだほうが良い」と考えています。学ぶ意欲がある人はICUならきっと楽しめると思いますし、ICUの特色に合うのではないでしょうか。学びたい分野が明確に定まっていない人にも、ICUのリベラルアーツは多様な選択肢を示してくれますし、自分が学びたいことがきっと見つかると思います。

Profile

萩野 あかね
株式会社サンライズ
管理本部 新本社推進室 デピュティゼネラルマネージャー

2003年 教養学部語学科(当時)卒業

ICU卒業後、株式会社サンライズに入社。以来、2019年3月まで海外営業部で勤務。2010年、『機動戦士ガンダムUC』の世界同発プロジェクトメンバーに選出。2016年、課長に就任し、部全体のマネジメントを担当。2018年4月には部長業務兼任の次長として海外営業部の実質的な実務の判断者となる。2020年4月より現職。

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