Every Day is “Global” at ICU.

-日常に息づくICUの「グローバル」-

Global ICU

卒業生の声

グーグル合同会社勤務 同窓生座談会(前編) 

福代 桃子(ふくよ ももこ)
2015年 教養学部アーツ・サイエンス学科卒業(心理学メジャー、生物学メジャー)

シロー マーク 亮(シロー,マーク リョウ)
2015年 教養学部アーツ・サイエンス学科卒業(政治学メジャー)
2016年 アベリストウィス大学大学院(Aberystwyth University、イギリス)国際政治学安全保障専攻修了

ゲレーロ・マウリシオ・ホセ・カルロス
2016年 教養学部アーツ・サイエンス学科卒業(グローバル研究メジャー)

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インターネットを軸としたサービスと製品で、世界に次々とイノベーションを起こすGoogle。ITシーンを牽引し続けるグローバル企業に新卒で入社した3人の卒業生に、ICUで培い、現在の仕事で生きている力について話を聞きました。

前編:"Think Outside the Box" -ICUで培った力が、イノベーションにつながる-

他の大学にはない、自由度の高さに惹かれて

―――ICUに入学した理由を教えてください。

福代 高校の3年間をカナダで過ごし、トロント大学に入学しました。ところが、進学後1年間で日本に帰らなければならなくなり、2年次からICUに編入しました。もともと、日本の大学に進むことも考えていたのでICUのことは知っていて、海外の大学に近い雰囲気だと感じていました。

ゲレーロ 私は、他の大学と比べて学ぶことが尊ばれているイメージに惹かれました。大学は"自由に学ぶ"場所だと考えていて、色々と大学を調べていく中でICUは「しっかり学ぶ」ことを前提とし、学びの選択肢が非常に多いと感じました。入学の時点で、専門とする分野を決める必要がないことがその典型です。他に合格していた大学とどちらに入学するか非常に悩みましたが、ICUを選んだのもこの自由度の高さが決め手でした。

シロー 入学時に専門とする分野の選択が不要なことは、私も魅力に感じていました。加えて、人権や平和に関する研究で有名だったことも志望理由の一つです。私はイギリス人の父と韓国人の母を持ちながら、日本に生まれたために日本語を母語としていました。そんな中で、「自分のナショナリティは?」「自分は何者なのか?」といったアイデンティティについてよく考えていて、こうした経験が、ICUで人権や平和について研究したいと感じたきっかけだったように思います。

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自由ゆえの苦労と広がっていく世界

―――入学してからの感想を教えてください。

ゲレーロ 自由に学べるという点は、入学前に魅力に感じていた通りでした。しかし自由ゆえに、自分で考え、選択しなければならないという大変さを理解できていなかったと感じます。最初のうちは面白そうだと思って受けた授業が、実際は自分の研究にはあまり関係なかったということが何度もありました。そのため、興味ある授業を担当される先生の研究室を訪ねて、事前に授業内容を伺って、履修科目を決定するよう心掛けていました。

シロー 自由さに苦い思いをした経験は、ICU生ならみんな共通して持っているのではないでしょうか。入学後、好きに使える時間が増えてアルバイトに時間を割いていたのですが、ある時「これまでの大学生活で何を得たのだろう」と思い始めました。それからは、切り替えて留学をしたり大学院への進学を目指したりと、学ぶことに真剣に向き合うようになりました。自由だからこそ、自分を律しなければならず、またその難しさを感じられたのは、非常にいい経験だったと思います。

ゲレーロ 一方では、興味の向くままに学び、知識を広げられることこそリベラルアーツのメリットだとも言えます。友人の多くが、入学時に考えていたメジャー(専修分野)とは違うフィールドで卒業論文を書いているのが、ICUらしいと思います。

福代 私もICUで人生が大きく変わった学生のうちの一人です。カナダからの帰国当初は、将来医者になることを目指して生物学を専攻し、医学部への編入も視野に入れていました。しかし、ICUのリベラルアーツに触れるうちに、「本当に自分は医療に興味があるのか」と、違和感を抱くようになりました。そんなとき、ほかの分野の授業を受けて自分自身の関心を再確認できるのは、ICUならではだと思います。結果的に、進学して医療の道を歩むのではなく、就職活動を経てGoogleの社員として充実した日々を送っています。さまざまな世界に目を向けられたからこそ、今の自分があると強く感じています。

ゲレーロ ICUでは授業だけでなく、日常にも気づきを与えてくれるチャンスがたくさんありました。少人数の大学なので、ほとんどの学生が友人の友人というような環境です。教室棟のラウンジや食堂などで、友人と話していると、友人の友人が通り、対話に加わる。そうすると対話は自然に広がり、今どんなことに興味があって、どんな授業を受けているか、仲間とフランクに話す中で、自分が全く知らないことに触れたり、思いがけず自分の目指す方向のヒントを得ることが多々ありました。

福代 学生が学外の活動に積極的なことも、ICUの特徴だと思います。インターンシップにも積極的に参加しましたが、友人のつながりなどがきっかけで始めたものばかりです。学外で幅広く活動したことも、今の道を選んだことに大きく影響したと感じています。

シロー 入学時点で考えていた分野と最終的に学ぶ分野が変わらないとしても、その中で何に比重を置いて学ぶのか、どの視点から研究するのかは変化していくこともあると思います。私の場合、人権やアイデンティティについて研究したいと考えていましたが、入学当初の知識では国連で採択された世界人権宣言を知っている程度の知識しかありませんでしたが、ICUで学ぶ中で、アイデンティティには地域性や時代といった要素も深く関係していることに気付き、違った視点から学びを深めることができました。

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リベラルアーツの中で培った、批判的な視点

―――ICUで培った力で、今の仕事に生きているのはどんな力ですか。

ゲレーロ ICUでの4年間は、自分の興味や価値観を修練させたりと、「自分らしさ」を磨けた時だったと感じています。もともと学ぶことが好きで、教科書もどんどん先に読み進めていくほど知識欲が旺盛でした。そのため高校までは、授業はなんとなく参加して聞いているだけという感じで、「自分は本当にここにいる必要はあるのか?」といった、何か居心地の悪さのようなものを感じたこともありました。しかし、ICUの授業では、知らないことにたくさん出会い、仲間と常に議論できる毎日がとても刺激的で心地良かったと記憶しています。自分が居たい場所だと感じられたのはICUが初めてでした。

シロー ICUでも仕事上でも、通説などを批判的に捉えて考え直し、新たな方向を見つけるための対話は日常茶飯事で、クリティカルシンキングを繰り返す毎日は、ICUの時と変わらないと感じています。もともと父親からは、物事を批判的に見る目を養うように言われて育ちました。当時は反発もあって聞き流していましたが、大学でいくつも授業を受けるうちにだんだんとその重要さを理解していきました。

福代 私も、大学で批判的に考える姿勢を身に付けられたことは大きかったと感じています。クリティカルシンキングという言葉そのものは高校時代に知ったのですが、ICUで日常的に触れていたおかげで、より深く掘り下げて考えられるようになりました。また、リベラルアーツの下、自分が今まで知らなかったことを学び、知らなかった分野の人と話した経験も今に生かされています。イノベーションを起こしていくためには"Think Outside the Box(自由な発想で考える)"の考え方で、どんどん自分の幅を広げていくことが求められます。全く異なるプロジェクトの人とディスカッションして自分自身の枠を広げていけるのは、そういう文化が自分に染みついているからだと思います。

シロー 4年間のリベラルアーツの中で、知的好奇心はとても強くなりました。その結果、学生時代よりも今の方が「学ぶこと」に対してさらに貪欲になっていると感じます。幅広い分野を見たからこそ、意外な事柄がつながっていること、そしてその面白さに気付くことができました。経済の本を読んでいると国際法や金融論につながり、それらを学び始めたり、今ではひょんなことからワインの勉強を始めています。

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[後編に続く。2018年2月16日公開予定]

Profile

福代 桃子(ふくよ ももこ)

心理学メジャー、生物学メジャー

Cobequid Educational Center (カナダ) 卒業。語学留学のため、高校3年間はカナダで過ごす。卒業後、医療の道を目指して2011年9月にトロント大学へ進学。その後、家庭の事情により日本へ帰国することになり、2012年9月にICUへ編入。心理学と生物学をダブルメジャーし、卒業論文は「第二言語処理における脳活性状態」について執筆。

シロー マーク 亮(シロー,マーク リョウ)

政治学メジャー

南山国際高等学校卒業(愛知県)。イギリス人の父と韓国人の母をもちながらも、日本の教育制度の下で学び、ICU特別入学選考をを経て2011年4月に教養学部に入学。在学中は、学生の履修相談に応じる学生アドバイザー(IBS: ICU Brothers and Sisters)として活動。卒業論文は「コペンハーゲン学派とウェールズ学派 : 安全保障論の理論的発展」について執筆。

ゲレーロ・マウリシオ・ホセ・カルロス

グローバル研究メジャー

静岡県立三島南高等学校卒業(静岡県)。ペルー人の両親のもと、ペルーで生まれる。日本の教育制度の下で学び、ICU一般入学試験を経て、2012年4月に教養学部に入学。在学中は、学業のほかに、国際NGOプラン・インターナショナルのユースとして活動。卒業論文は在日南米人のメディア消費とアイデンティティ」について執筆。