在学生・教員の声

鈴木 ゆり子 (すずき ゆりこ)教養学部4年(インタビュー時)

メジャー:心理学

自分の世界、可能性を広げる

新しい価値観、幅広い視野を持ちたい

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交換留学を決めた理由は3つあります。1つは、「環境が人を変える」と言いますが、新しい環境に自分を置くことで、刺激を受け、学びや経験を得たいと考えていたからです。ICUに入学するため仙台から上京し、寮での共同生活、学外団体での経験を通して、さまざまな考え方や価値観に触れたことで、たくさんの学びを得ることができました。こうした経験を交換留学でもぜひ味わいたいと考えました。

2つ目の理由は、自分のメジャーである心理学を深く学ぶためです。留学先のシドニー大学は、ICUとは異なり、大きな総合大学で、ICUでは学べない心理学関連の科目が開講されていて、消費者行動を学べるハイレベルなビジネススクールも併設されていました。

3つ目は、留学生活を通して、自ら考えて行動する力、コミュニケーション能力、困難な状況でも乗り越える力を伸ばしたかったからです。これからの人生は簡単なことばかりではないので、こういった力がかならず必要になると考えていました。

最初から完璧でなくてもいい

留学直後は、英語でのコミュニケーションに、難しさを感じました。一対一の会話では、問題はなかったのですが、大勢のグループの中での会話や、授業中のディスカッションでは、自分の意見を述べることに苦労しました。そのうち、完璧でなくともとにかく何か話したり、話そうとする姿勢は伝わるように努力したりしました。また、グループレポートが課された際に、自分のライティング力の不足をネイティブのメンバーに補ってもらう代わりに、文献を探したり、構成のアイデアを出したり、自分がその状況で果たせる役割は何だろうかと日々模索していました。

いま留学生活を振り返ると、わからないことをわからないと素直に聞けたことや、待っているだけでなく自分から声をかけたこと、新しいコミュニティーに入りたいという思いを積極的に伝えたことなどが、英語力を伸ばし充実した留学生活を送れた要因だと思います。

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参加していた大学の合唱サークルのコンサート

多様な価値観を受け入れ、自分の価値観を広げる

留学中は、メジャーである心理学分野を中心に、応用心理学、消費者行動や言語心理学の授業なども合わせて、各学期4科目ほど履修しました。授業は、ほとんどの科目が2時間のレクチャーで、1時間はチュートリアルでした。印象的だったのは、応用心理学や社会心理学のトピックとして、ジェンダーや人種におけるマイノリティに対して、どのような心理学的アプローチがあるかということがよく扱われたことでした。多様性が特徴であるオーストラリアならではのことだと思います。オーストラリアでのマイノリティへの差別や偏見の現状を学ぶとともに、具体的なプログラムや日本でも学ぶ理論でも、国により応用の仕方が全く異なることが非常に興味深く感じました。

また、オーストラリアのように多様性への許容力がある国でも、社会問題はあり、それらを心理学の見地から学べたことは、大きな学びだったと思います。こうした経験を通してさまざまな価値観を尊重し、それを自分に取り入れて、自分の価値観を広げていきたいとより強く思うようになりました。

世界中に友人ができたことが一番の思い出

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友人たちと参加したイベントで

私の留学生活の最大の収穫は世界中に友人ができたことです。新たな人との出会いは、これからの人生の中でも、貴重な財産となると強く感じた一年でした。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど様々な国の学生と出会い、友人が出来ることにより、留学中の生活が豊かになったほか、それだけ新たな発見を得る機会も多くなりました。一年間大学の合唱のサークルに入り、現地で文化的な活動に参加したり、日本にいた時から学生映画祭の企画運営に携わっていたので、シドニー映画祭のボランティアにも参加したりして、日本の映画を現地の人に紹介しました。休日には、コーヒーが好きなので友人達とカフェ巡りをしたり、きれいなビーチを訪れたり、そうした友人たちとは今でも連絡を取り合っていて、世界が広がりました。

海外生活を経験した事のない人にとっては、長期間新しい環境で過ごすことになる交換留学は、とてもハードルが高いという印象があるかもしれません。でも、新しい価値観を得ることは本当に素晴らしいことだと思いますし、これまでの自分や日本の見方も変わる、貴重な経験です。留学の準備や留学直後など大変なこともありますが、みなさんには前向きに交換留学に挑戦してほしいと思います。きっと将来の可能性を広げるとともに、自信にもつながるはずです。